次回は非公開で公判前整理に...セオリー外れも続出するCG児童ポルノ裁判・第四回公判【詳報】

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2014年06月10日 22:40  おたぽる

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おたぽる

イメージ画像:「裁判所」公式HPより。

――6月9日に行われた、空想した少女のヌードを写実的に描いたCGが「児童ポルノ」にあたるか否かをめぐって争われているCG児童ポルノ裁判の第四回公判の詳報をお届けする。弁護団による冒頭陳述は〈http://otapol.jp/2014/06/post-1049.html〉を参照。



【CG児童ポルノ裁判・第四回公判】



※録音・録画禁止のため、取材時のメモ書きなどをもとに作成しております。一部不明確な箇所がある場合がございます。ご了承ください。



 14時30分頃より、傍聴を待つ行列ができる。



 前の裁判が長引いたため、10分ほど遅れて裁判官が入廷し、審議が始まる。



 裁判官席に三上孝浩裁判長以下、西山志帆氏、堀内健太郎氏。前回は風邪気味でマスクをしていた西山氏だが、今回は健康そう。検察官席は中山理恵子氏、粉川知也氏に加え上司らしき1名。上司に見張られている感じの若手・粉川氏は緊張気味。



 三上裁判長より、検察官が一部の証拠開示を拒否しているが、それで冒頭陳述が可能か、弁護団に確認。壇俊光弁護士が「できるところまでやります」と回答。証拠の番号など、事務的な手続き。検察側、中山検察官より証拠一点を追加の報告。



 検察官より証拠の非開示について意見書が提出された旨、弁護団は承知しているか確認。



 弁護団がさらに1名追加したことについて、三上裁判長から話。当初3人だった弁護団だが、傍聴に来た弁護士が次々と弁護団に参加させられるという妙な展開。この日も1名が追加され、被告人より選任届が提出されたため、裁判長も困惑しているようだ。



三上「弁護人の数は制限できません。しかし、当日に選任届を出すというのは通常のやり方ではないわけで......弁護側は適切な数をお願いします。物理的にも今日のような状況だと適切な人数をお願いします」



三上「証拠開示の関係は弁護人はご存じだと思いますが、検察官の意見書では証拠を開示する予定はないということです。であれば、裁判所としては事実と証拠を整理させていただきたい。そうなると、非公開で行われるので場所が問題になります」



 裁判官から公判前の整理を行うので、弁護人が8人だと場所がないと説明。



 続いて、検察官より証拠の番号と内容の確認。メロンブックスで販売された『聖少女伝説』『聖少女伝説2』をメロンブックスの販売サイトで購入した人物の調書、メロンブックスからの調書、被告人方から押収した写真集であることを説明。



中山「いずれも、本件参考資料となった画像が掲載されております」



 裁判長の指示で被告人が中央へ。検察官の示す押収したものについて、確かに被告人の所有物であるのか確認する作業。封筒から、ビニール袋に入れられた写真集が次々と取り出される。どのように見せればよいか、中山検察官が動きに戸惑う。



三上「簡単に見せていただくしかありません。発行日などがあれば、被告人に見せてください」



 中山検察官が証拠番号を読み上げながら、一つずつ被告人に提示。クールビューティーな表情を崩さない中山検察官。



 傍聴席から必死に覗くと『君はキラリ』『プチトマト』『清岡純子作品集』(いずれも80〜90年代に出版された少女ヌード写真集)などの奥付を被告人に見せていくのが見える。一通り見せた後に、中山検察官が説明する。



中山「いま見せたものは、いずれもあなたの部屋から押収されたものですか?」



被告人「はい」



中山「本件の画像を描く上で、参考にしたものは含まれていますか」



被告人「含まれています」



三上「あなただけの所有物ということでいいですか」



被告人「そうです、はい」



 続いて、弁護側冒頭陳述が行われる。



 終了後、裁判長が話し始める。通常、冒頭陳述は主任弁護人が行うことが多いが、なぜか壇弁護士がこれを担当。そこで念のため弁護団の総意であるか、確認が行われる。



三上「刑事訴訟法というのはややこしいのですが、主任弁護人でない弁護人が最後の弁論をするのはよろしい。ですが......山口主任弁護人は今の内容でよろしいですね?」



 すでに裁判のセオリーから外れた行為が続出するためか、半笑いになる三上裁判長。傍聴席からも笑いが漏れる。



三上「今の内容を踏まえ、検察官の証拠開示には応じられないという意見書を本日付で頂いています。この書面について、弁護人から反論の予定はありますか?」



山口「今頂戴したものなので、反論させていただく予定です」



三上「裁判所が(進行について)何がしかの決定をしなくてはならないと思っています。検察官が弁護団には証拠を開示しないようです。また、弁護人の主張としては"検察官は被告人は画像を元にCGを製造したとしていると推論している"。検察官がこの立論に立っていることも含めて、公判前整理は不可欠と思っています」



 検察官は、被告人が証拠とされる児童ポルノをもとにCGを描いたとしている。ならば、それを立証する必要があると、裁判所はアドバイスしているわけだ。



 三上裁判長より、非公開で公判前の整理を行うことについての確認が行われる。次回は、7月14日に非公開で行うことを決定。



 15時55分閉廷。
(取材・文/昼間たかし)



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