米国在住ママ1年半ぶりの一時帰国、日本の子連れ事情は変わってきた?

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2014年06月12日 18:01  MAMApicks

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先月、3歳5ヵ月の息子と筆者の二人で、ひさびさの日本、生まれ故郷の神戸に一時帰国した。息子にとっては3度目、前回1歳10ヵ月の時以来の日本だ。


今回はとくに予定を組まず、両親と三世代の時間を過ごした。
電車に乗ったり、5月ならではのちまきを食べたり、菖蒲の湯に入ったり、魚市場で魚や蛸を見たり、金魚すくいをしたり。そういったことをしながら数日でまたすっかり祖父母に馴染んだ息子は、朝から晩まで楽しそうだった。

筆者の住む米国シアトルと16時間の時差があると、いきなり眠くなったり疲れたりするので、お出かけには事前にレンタルしておいたストローラー(=ベビーカー)が欠かせなかった。

米国では普段乗らないストローラーに乗ったのは1年ぶりぐらいとあって、息子は「乗る!」と積極的で、「じゅんびかんりょう、しゅっぱつしんこう!」と意気揚々。私自身は母国とは言え、離れてから20数年も経つし、子どもだったときの記憶や経験はあっても、親としての経験はないとあって、帰るたびにいろいろなことがちょっと不安なのであった……。

そして、帰国後業者からレンタルしたそのストローラーにはガッカリした。
製品は日本の有名メーカーのものだったが、15日間で3,500円という料金だと、こういうものが来るのかと。全体的に古くて薄汚れていて、シートベルトはその役割を果たしそうにないほどくたびれきっている。

ハンドルバーが私には低すぎて腰が痛い。車輪の幅が細いので振動に弱いし、道路脇の溝の蓋をしている格子状の金属に車輪がはまる。さらに、日よけが小さくて役に立たない。

おまけに、その日よけには小さいけれど目に付く穴が……。細身で軽いし、息子を起こさず移動できるからよしとしてみたが、街で行き交うお母さんたちは、新しくて安全そうなストローラーを押している。こんなにボロくて危なそうなのに乗せている人は、パッと見には見当たらない。やっぱり荷物になってもシアトルから持ってくれば良かった!


一時帰国中滞在していた神戸の中心部は、主要道路の歩道は広く、現在住むシアトル同様、基本的にバリアフリーとなっていて、エレベーターのある建物が多い。そのおかげか、前回よりもストローラーでお出かけしている親子連れが多いようにも感じた。

エレベーターを使わない母が、「ここは階段しかない」という2階のカフェに、寝てしまった息子をストローラーごと抱えて上がったら、実はエレベーター完備だったということすらあった。

また、関西特有の気楽さだろうか、「僕、いくつ?」「かっこええ靴、はいてるなあ」などと話しかけられることが多く、スモールトークの多いアメリカのようでホッとする。

そして、日本での移動と言えば電車。改札口は幅広のところがあり、ホームまではエレベーターがある。

シアトルではいつも車だし、電車やバスに乗るのは「週末のイベント」なので、日本の電車が好きな息子は見るものすべてに興奮しがちなのだが、そんなこと周囲の人にはわからない。なので、とにかくできるだけ混んでいない時間帯を選べば気楽だ。

今回、どこかの駅で、「電車に乗る時はベビーカーをたたまなくてかまいません」と書かれたポスターを見て、ネットで検索し、鉄道のルールが変わっていたことを今回初めて知った。

乳幼児を抱え、荷物を持ちながら電車でバランスを取るなんて周囲にとっても危ないから、たたまなくていいなら楽だ(もちろん、それによって周囲に迷惑をかけることになるのは本末転倒だが)。

そんな折にも、電車とホームの間があいていた際、スーツ姿のビジネスマンがストローラーを持って手伝ってくれた。アメリカなら普通だが、ここは日本、それもビジネスマン! これは社会の変化なのか、たまたまラッキーだったのか? なんにせよ、とてもありがたいことであった。

大野 拓未
アメリカの大学・大学院を卒業し、自転車業界でOEM営業を経験した後、シアトルの良さをもっと日本人に伝えたくて起業。シアトル初の日本語情報サイト『Junglecity.com』を運営し、取材コーディネート、リサーチ、ウェブサイト構築などを行う。家族は夫と2010年生まれの息子。


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