Astrid Andersen 2015年春夏コレクションのフィナーレ Image by: Astrid Andersen ロンドンコレクションで話題を集める若手デザイナーAstrid Andersen(アストリッド アンデルセン)が、6月15日に発表した最新メンズコレクションで着目したのは「日本」。今年5月にラフォーレ原宿でセレクトショップ「GR8」との協業による期間限定ショップを出店するために初めて来日し、相撲など日本の文化に触れたことがインスピレーション源になったという。(取材・文:益井祐)
相撲ファッションがロンドンに?の画像を拡大 Astrid Andersenは、Royal College of Art(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)修士課程の卒業コレクションが注目を浴び、イタリア版ヴォーグが選ぶ2010年の「Talent」候補者に選出。2011年には出身地デンマークのファッションアワード「Danish Design Talent of the Year」にノミネートされた。ストリートとラグジュアリーの要素を融合させたデザインや、独特のパターンが特徴。コレクションをいち早く取り扱った日本に強い絆を感じているというAstrid Andersenは、来日経験について「すばらしい形で実現した」と振り返る。
2015年春夏コレクションの招待状のデザインに採用されたのは、両国国技館の土俵。インスピレーションの日本についてAstrid Andersenは、「歴史の中で培われてきた物事や、敬意を払う姿勢。その一方でファッションやスタイルにおいて多くのタブーを覆して来た精神。これらは私の物作りに通じるものがある」と捉える。風をはらむ着物や、夕暮れの色調などからアイデアを得て、コレクションにはオレンジからピンクのグラデーションが印象的に用いられた。墨で書いたようなランダムなペイズリーが重ねれた素材がシグネチャーであるリュクススポーツスタイルを彩り、和服を引用したガウンやエキストラロングのトップとして軽やかに宙に舞う。シースルー素材やブラトップといったツイストはAstrid Andersenらしいが、以前に増して強く打ち出しているスポーツの要素は、来日時に観戦した相撲から影響を受けたという。「ほんの数分の取組のためのストイックさ。また、力士のバックグラウンドや個性が込められ、文化に敬意を払っているかような化粧廻しの美しさにショックを受けた」ことから、ミンクやネオプレンを使用した化粧廻し風のエプロンがフィナーレを飾った。(取材・文:益井祐)
■Astrid Andersen 2015年春夏コレクション全ルック
・http://www.fashionsnap.com/collection/astrid-andersen/2015ss/