デビュー時のストリート・ガール的なイメージのまま「Ain't 2 Proud 2 Beg」でスタートしたショウは、前半、「What About Your Friends」「Silly Ho」「Hat 2 Da Back」といったヘヴィ・ビートのアップ・チューンで猛攻撃。ステージの熱気に負けじと、客席も大合唱で応える。
その後も「Baby-Baby-Baby」「Diggin' On You」「Red Light Special」とベイビーフェイス作のキュートでセクシーなミディアム〜スロウを3連発。続く「Creep」も含め、90年代アトランタを象徴するようなディープでレイドバックしたグルーヴで懐かしさを誘い、T・ボズのハスキーなアルト・ヴォイスとチリの滑らかでコシのある声も当時のままで、“あの頃”に連れ戻してくれた。
後半、「FanMail」「I'm Good At Being Bad」の前後ではファンに心からの感謝の気持ちを送ったT・ボズとチリ。続いてアコースティックな音使いの「Damaged」「Unpretty」では、その切なさの滲むリリックがに共感を得ているであろう、多くのファンが共に口ずさむ。その後ダンサーたちのパフォーマンスを挿み、チリとDJによる「自惚れの強いダメ男に“絶対NO”を突きつける」パフォーマンスも盛り込んだ「No Scrubs」で本編は終了。
天国に旅立ったレフト・アイは、もう帰ってこない。けれど一度結ばれた糸は解かずに前進していく……そんな思いを伝えるべく最後に歌ったのが、昨年、本国で放映された伝記映画「Crazysexycool: The TLC Story」のためにNe-Yoが書き下ろした新曲「Meant To Be」だったのだろう。レフト・アイを含めた変わらぬグループの絆、そしてファンとの絆を確かめ合うようにしてライヴは終了した。