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「一人目の子育ても落ち着いてきたし、そろそろ二人目を……」
そう思っているのに、二人目がなかなかできない! いわゆる”二人目不妊”に悩むご夫婦が今、増加中です。
大阪府不妊専門相談センターによると、平成21年度は6.3%だった二人目不妊を主訴とする相談が、平成25年度は16.4%となっています。
二人目不妊の原因はなんなのでしょう? そして対策は? 今回、気になる部分をまとめて取り上げたいと思います。
■卵子は月日とともに衰えるもの
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そもそも、人間の機能は年齢とともに老化し、衰えていくのが自然。生殖機能にしてもそれは同じです。
卵子は女性が生まれる前から身体の中にあります。新しく作られることはなく、身体とともに衰えていくものなのです。
愛知県の不妊治療クリニック『浅田レディースクリニック』院長の浅田義正先生の著書『いつか産みたいと思うならいま知っておきたい18のこと』には、次のように書かれています。
「卵子は老化するだけでなく、年齢とともにどんどん少なくなっていきます。(卵子は)お母さんのお腹にいる妊娠5〜6ヶ月ごろに500万〜700万個とピークを迎えて、そこからはもう減る一方なのです。
”おぎゃー”と生まれるころには200万個ほどになり、初潮の頃には30万個、妊娠率が落ちる35才の頃には、生まれたときの200万個の卵子のうち、わずか1〜2%ほどしか残っていません」
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どれだけ見た目を若く保っていても、どれだけ医療が発達しても、卵子の質と数を保つことはできません。だから、年月が経つとともに妊娠しにくくなっていくのは当たり前のこと。
「一人目ができたから二人目もきっと大丈夫」とは、必ずしも言えないということが分かると思います。
■精子の状態も妊娠に大きく関わる
生まれたときから減少し、増やすことのできない卵子と違って、精子は精巣の中で日々生成されていくもの。
しかし、精子も加齢の影響を受け、”受精能力が低下する可能性がある”ことが、埼玉県の独協医大越谷病院 泌尿器科・岡田弘教授らのグループの研究により明らかになりました。
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岡田教授は「35歳ぐらいから精子の受精能力が低下する人が一定の割合でいると見られる。妊娠を考える時、女性の年齢だけでなく男性の年齢も考える必要がある」としています。
■実は”卵管の状態”も非常に重要
卵管の状態も、妊娠に大きく関わってきます。奈良県の不妊治療クリニック『ASKAレディースクリニック』公式サイトによると、
「卵管には”輸送管”としての働きの他に、卵子を卵管内に導く”ピックアップ機構”が備わっています。
すなわち卵管の末端である”卵管采”はイソギンチャクのような構造になっており卵巣から排卵する卵子を捕まえますが、この機構が働かないと卵子は卵管に誘導されず、精子と出会うことはできません」
とのこと。卵管に炎症があったり、子宮内膜症などの疾患があった場合は、卵管の癒着や閉塞が起こっている可能性があり、不妊の原因になります。
■早めに不妊クリニック受診を!
そもそも夫婦生活が少ないと、妊娠するわけがありません。育児が忙しいと回数が減る夫婦は多いようですが、それが不妊の原因ということはおおいにありそうです。
本気で二人目がほしいと思うなら、定期的に夫婦生活を持つように心がけたいですね。
それでも、「定期的に子作りに励んでいるのに、なかなか二人目ができない」という場合は、早めに婦人科・不妊クリニックに受診しましょう。今回挙げたこと以外にも、第一子妊娠のときとは違っていることがあるかもしれません。
不妊の原因は、女性、男性、どちらにもあるので、夫婦ふたり揃って受診することが大切です。
年を経るにつれて妊娠しにくくなっていくのは避けようのない事実ですが、早めの治療で妊娠できる可能性は上がるかもしれません。
【参考】
※ 精子も35歳から老化…独協医大調査 − yomiDr.(ヨミドクター)
※ 二人目不妊の方へ − 医療法人平治会 ASKAレディースクリニック
※ 浅田義正(2014)『いつか産みたいと思うなら いま知っておきたい18のこと』 パブラボ
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