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「今はアイドルとアニソンの時代」と言われることもある日本の音楽シーン。それを象徴するかのように、5月12日付のオリコンのCDシングル週間ランキングでは3位に『うたの☆プリンスさまっ♪』の音楽作品がランク入りし、10位までにも『妖怪ウォッチ』や『THE IDOLM@STER』などのアニメ作品の名が並んだ。最近の6月16日付けのランキングでも、3位にアニメ『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』の主題歌である私立恵比寿中学の「バタフライエフェクト」、10位には『THE IDOLM@STER』関連の「U・N・M・E・Iライブ」作品がランク入り。また、2013年には「日経エンタテインメント!」(日経BP社)の「アニメソングが席巻、音楽チャート 変わる業界地図」という記事が話題になるなど、今はアニソンが音楽ランキング上位に入るのは当たり前という流れになっている。
そんな中、6月18日にオリコンが2014年上半期CD&DVD売り上げランキングを発表。シングル部門の1〜3位はAKB48、それに続いて嵐や乃木坂48などが上位にランクインしていた。中でも、AKB48は今回で4年連続となる上半期シングルランキング1位を獲得し、握手会参加券を付けるといった手法を用いながらも、初の快挙となるランキングのTOP3独占など、その人気ぶりは相変わらずだ。
一方、音楽チャートを席巻しているとされるアニメ勢とはいうと、シングル部門の最高位は『ラブライブ!』の「それは僕たちの奇跡」が32位という結果。アルバムランキングでは、2位に『アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック』が入ったほかには、22位に声優アーティストのトップを走る水樹奈々の『SUPERNAL LIBERTY』が、48位に『うたの☆プリンスさまっ♪』の『劇団シャイニング JOKER TRAP』がランクインといったところ。上半期ランキングでは、アニメ勢の順位は思ったほど伸びていなかった。
2013年の7月22日付の週間ランキングで2位を記録したLinked Horizonの「自由への進撃」も、同年の年間シングルランキングでは30位と、アニソンはデイリーや週間ランキングでは上位に食い込むにもかかわらず、上半期や年間ランキングといったロングスパンのランキングでは上位になれないという状態。前述の『ラブライブ!』の「それは僕たちの奇跡」も、今年5月5日付のCDシングル週間ランキングでは3位にランクイン、『うたの☆プリンスさまっ♪』の『劇団シャイニング JOKER TRAP』も3月10日付のCDアルバム週間ランキングで2位を獲得しているにもかかわらず、だ。
「アニソンは人気、売れる」と言われている中、今回の上半期ランキングを見る限りではイメージと離れている印象が見受けられた。週間ランキングでは頻繁に上位に入ってくることから、アニソンに人気があるのは確かだが、今回発表されたオリコン上半期ランキングを見ると、「アニソンが売れる」という通説は果たして本当なのか、疑問符がつく結果となっていた。
(文/田中ものえ)
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