乃木坂46にとっての“総選挙” 今年のプリンシパル公演で輝きを放ったメンバーは?

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2014年06月22日 08:10  リアルサウンド

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乃木坂46による舞台公演『「16人のプリンシパル」trois』のワンシーン。

 乃木坂46による舞台公演『「16人のプリンシパル」trois』の千秋楽が6月15日、東京・赤坂ACTシアターにて行われ、3年目を迎えた同公演は幕を閉じた。今回も1幕のオーディション(即興コント)を見て、観客が本編である2幕の出演者を投票によって決めるという形式で行われた同公演は、彼女たちにとって、グループの活動の中で最も過酷とされているイベントだ。なかには「AKB48の選抜総選挙を毎日やっているような感覚」と口にするメンバーもいる。今回は脚本・演出を『勇者ヨシヒコ』シリーズや『指原の乱』などで知られる福田雄一が手掛け、「笑い」をテーマに、1幕のオーディションではコント、2幕のオーディションでは舞台『レッツゴーっ!ポリン姫』が披露された。SKE48との兼任留学生として乃木坂46に加入した松井玲奈も複数公演に参加して話題となったが、本稿では、毎公演新たなヒロインが誕生したプリンシパル公演で、特に輝きを放ったメンバーを紹介していきたい。


(参考:乃木坂46、プリンシパル公演初日レポ 最も演技力を発揮したメンバーは?


●舞台でも活躍した“福神”メンバー


・“プリンシパルの申し子“生田絵梨花


 2年前に東京・渋谷PARCO劇場で初めて行われた公演から、常に輝きを放ち続けているのが生田絵梨花である。今回もメンバーの中で唯一全22公演2幕出場を果たし、評判通りの活躍をみせてくれた。彼女の持つピアノの実力は、歌番組やバラエティなどでもたびたび取り上げられているが、元々舞台に憧れて芸能界を目指したというだけあり、彼女は演技力もグループ一。加えて冠番組『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京系)では、天才的かつ天然な人柄で笑いを独占することも多く、プリンシパルでも的確なアドリブで公演を引っ張り、劇中での歌の場面ではその日の舞台のクオリティーを左右するほどの存在感を放っていた。主要10役を制覇した彼女だが、主役のポリン姫や悪の女帝ルイーダを演じるときに輝きを増すその姿は、他のメンバーの言葉を借りると「プリンシパルの申し子」であった。


・“美女キャラ”のイメージを逆手にとった白石麻衣


 モデルとしても活躍している白石麻衣は、容姿端麗なイメージが一般的なものかもしれない。ただ、今回は「笑い」がテーマだったということもあり、「楽屋での素の自分を出す」と本人が公演中に語ったように、1幕のコントでは一般的なイメージを覆すようなモノマネや、オヤジキャラといった振り切った演技を連発した。メンバーからは「そこまでしちゃうの!?」というような反応だったが、パブリックイメージとのギャップがファンの心をつかんだのだろう。今回2幕で10役に選ばれた回数が一番多かったのがグループ内で「笑いの神」と評される高山一実と白石(共に18回)で、意気込み通り今回のプリンシパルでは一つの頂に上り詰めた。


・“舞台上でもイケメンだった若月佑美


 後半の失速はあったものの、プリンシパル前半戦のヒロインは完全に若月佑美だった。主要10役制覇を最速の12公演目で達成した彼女は、どの役に選ばれても安定した演技を見せてくれた。舞台では常に他のメンバーを立て、台詞を噛んだり、忘れたときはすかさずカバーし笑いに変える、相変わらずのイケメンキャラ。彼女のすごさはその準備力にある。松村沙友理のような瞬発的なアドリブ力があるわけではないが、徹底的に仕込まれた演技とネタで必ず毎公演ハイライトを作っていた。前回の「16人のプリンシパル duex」からの連続10役制覇も彼女のみの記録で、今後の演技での活動に期待が高まる。


●プリンシパルで脚光をあびたシンデレラガールズ


・“今が、革命の時”斎藤ちはる


 プリンシパル前半で若月と共に脚光を浴びたのは、間近の9thシングル選抜発表で選抜から漏れ、1期生では唯一の選抜未経験者となった斎藤ちはるだった。初日に生駒里奈との一騎打ちを制しロザリオ役に選ばれると、勢いそのままに翌日は生田、白石など6名の激戦区を制してエステル役を獲得した。「面白いと言われるのが一番嬉しい」と本人が言うように、今回のテーマと自身のキャラクターがうまくはまったのだろう。さらにその翌日には同い年である“生まれながらのプリンシパル=生田絵梨花”との一騎打ちになり、「今が、革命の時」と発言。まさに下克上が起こらんとする展開に会場は大いに盛り上がった。彼女の活躍は自身のモチベーションアップにつながっただけでなく、改めて選抜メンバーとアンダーメンバーの垣根を越え、役をかけて勝負するプリンシパル公演の醍醐味をファンに教えてくれた。


・“やる気ないキャラ“を卒業(?)した星野みなみ


 今回のプリンシパルでここまでの活躍が予想されていなかったのは”無気力キャラ”としておなじみの星野みなみではないだろうか。そもそも今回の意気込みが「皆勤賞」だった彼女が(「16人のプリンシパル deux」は不参加)、最終的には2幕に16回も選出されることとなった。きっかけは5月31日のことで、その日の2公演には共に2幕に出ることができず、夜公演のスピーチで「やる気ないってレッテルをはがしたい」と宣言していた。その後、投票で10役に選ばれなかったメンバーの中から、得票数の高い順に選ばれる“アンサンブル”でたびたび2幕に出るようになっていった。実際のところ、他のメンバーが1幕のコントでモノマネやキャラ作りで勝負するなか、彼女は基本的に「星野みなみ」のままだった。そのため、「やる気ないキャラ」を卒業できたかは怪しいところではあるが、先の宣言がファンからの注目と期待を集め、“アンサンブル”として11公演で2幕への出演を勝ち取ったといえるのかもしれない。選抜復帰を果たした9thシングルでは、私たちに“本気の姿”を見せてくれるのだろうか。


・「演技力で勝負し通した」井上小百合


 舞台『帝一の国』で、樋口日奈とともにヒロインを演じた井上小百合が常々言っていたのは、「演技力で勝負したい」ということだった。6thシングルまで選抜常連で福神に対して強いこだわりを持っていた彼女が、アンダーメンバー期間につかんだ舞台という仕事で得た自信から、そう口にさせたのかもしれない。ファンから“天使”と称される見た目とは裏腹に、1幕のコントでは、おじいちゃんや強盗など、与えられたキャラ設定を忠実に守り、そのうえで笑いも取りにいっていた。そんな彼女の姿を見て、2幕でもその演技力を発揮してほしいと感じた観客は少なくなかったのではないだろうか。審査基準が「笑い」≧「演技」だったなかで、主要10役制覇を達成した彼女は今回のプリンシパルにおいてもっと評価されていいメンバーの1人ともいえそうだ。


●若月「私にとっての総選挙はここです」


 6月7日、生駒里奈も参加したAKB48の選抜総選挙が行われていたのと同時に進行していた夜の公演で、若月佑美は「私にとっての総選挙はここです」と宣言した。もしかすると、毎回審査員である観客が異なり、オーディションのコントの内容も異なるプリンシパル公演は、選抜総選挙より予定調和の少ないものといえるかもしれない。乃木坂46にとって勝負の年である2014年、プリンシパルで一皮むけた彼女たちの今度の活躍にますます期待がかかる。(ポップス)



このニュースに関するつぶやき

  • 今回一番良かったのまいやんでしょ(≧∇≦) 16公演も行ってポリン見逃したのだけが心残り(^^;
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