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道具のお手入れは「きれいに保つこと」ではない

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2014年06月25日 07:41  BOOK STAND

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BOOK STAND


 職人さんによって作られた良質な台所道具を買ってみたものの、いざ使ってみた後、正しい手入れの方法がいまいちわからない、といった経験はないでしょうか。その手入れ方法がわからないと、ついついキレイな状態を保ちたいがために仕舞い込んでしまう、ということもあるかもしれません。

 せっかく手にした道具、どのように向き合っていけばいいのでしょうか。こうした疑問に答えてくれる一冊がクラフトバイヤーの日野明子さんによる書籍『台所道具を一生ものにする手入れ術:作り手25人に教わる、使い込んでいくことの魅力』。
 日野さん自身が道具の作り手を訪ね、その道具の素材にまで立ち返り、曲げわっぱ、おひつ、土鍋、中華鍋、フライパン、包丁......といった、数々の台所道具の正しい手入れ方法を丁寧に教えてくれます。

 その中で、日野さんは、正しい手入れについてこう話します。

「『お手入れ』というと、『きれいに保つこと』と、思われるかもしれません。しかし作り手からは『新品同様に戻したらせっかくの使い込んだ味わいが台なし』という言葉をよく聞きました」

 大切なのは、使い込むからこそ新たに生まれてくる味わいや質感を楽しむことであり、それこそが道具の醍醐味なのだと日野さんは伝えます。

 そして、実際に作り手たちを訪ね、どのようにその道具が作られるのかを知ることによってわかった、道具を使いこなす一番のポイントは、素材を知ることなのだと日野さんは言います。木、土、金属と素材の特性を理解し、それぞれに適した方法で使い込んでいくことで、道具はより一層味わい深くなっていくのです。

 道具の手入れ方法もまた、大切な道具との向き合い方の一部。使っていくにつれ、どんどん道具が良くなり、使い込むことの良さを実感出来るような、道具の正しい使い方を本書は教えてくれます。
 道具を楽しみながら長く愛用していくためにも、果たしてきちんとした方法で使えているのか、今一度見直してみるのもいいかもしれません。



『台所道具を一生ものにする手入れ術: 作り手25人に教わる、使い込んでいくことの魅力』
著者:日野 明子
出版社:誠文堂新光社
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