ママ友たちのうつろいに思うこと

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2014年07月07日 10:31  MAMApicks

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出産から約1年半、この春、私と同時期に出産した友人たちが次々と育休を満了し、復職した。
都内近郊はどこも保育園入園の倍率が高く、待機児童の多さは幾度となくニュースになってきたが、私の周囲は幸い皆、認可保育園に入ることができたようだ。

私は会社勤めをしているわけではないので、ハナから保育園には入れないだろうと保活もしていなかったし、どうしても保育園に入れなくてはいけないというほどではないのだが、集中して仕事する時間がなかなか持てないことに悩んでもいた。

日中娘が起きている間にPCを触るのはほぼ無理なので、娘が寝ている時間を利用するしかないのだが、自分自身の睡眠も考えると限界がある。

冬の間は気が詰まることも多く、一時保育を利用しようかなと考えていたところ、区の支援センターがやっている一時保育が比較的安価であることが分かり、4月から週1で預けることにした。


貴重なひとりの時間を確保できたので、この時間に仕事するぞ!と意気込んでいるが、それでもまだまだ自分が満足できるほどに時間を捻出するのは難しい。

友人たちが会社で勤務している時間にも仕事量にも遠く及ばないので、内心焦りを感じていたりもする。

一方で、復職した友人たちも皆、仕事と育児という生活のリズムを掴むのに四苦八苦しているようだ。

よく話には聞くけれど、復職したては本当にハードなのだと思わされる。
発熱だとか気管支炎だとか突発性発疹だとかで登園できないことがしょっちゅうあり、友人のひとりは月に10日も通うことができず、ほとんど毎日実家に預けて出勤しているとのことだった。

この時期の送り迎えは雨で気が重いとか、子どもを寝かしつけていると毎晩寝落ちしてしまうとか、いつかはフルタイムに戻したいけど、今の状況を考えるとまだ自信がないとか……彼女たちの話を聞いていると、もし自分が同様の立場ならどうだったろうなあと思索にふけってしまう。

我が家は実家も遠いし、いざというときに頼るのは難しいから、病時保育でも使っていただろうか? 余裕がなくて夫としょっちゅうケンカしてただろうか? 寝不足で就業中に居眠りしてただろうか? ifもしもの話は考えても仕方がないのだろうけど。


在宅で仕事をする私と、会社勤めをしている友人たち。
今は置かれている環境は異なるけれど、子どもが生まれる前から知り合いなのもあって、同志のような関係だ。

子どもが乳児のときからつねに情報交換をしてきて、夜何度も起きるとか、グズりがひどいとか、悩み事や辛いことの共有で仲を深めてきたような気がする。

夫にもできるだけ育児に関わってほしいから、できるだけ今日あったこと、明日の予定など共有するようにしているが、夫は予防接種のスケジュールまでは把握できないし、どうしてもママじゃないと分かり合えない話題や感情がある。

子育ての先輩に聞けばすぐ解決するようなことも、渦中にいる者同士で不安だね、心配だね、と手探りで進むことが一番心強かったりもした。

産前はママ友なんて要らないと思っていた。子どもを媒介にして繋がるなんて自分のアイデンティティは一体、なんてことを考えていた自分は本当に浅かったなと省みるのだ。


また、別の友人がこの春からワーキングマザーを一旦お休みし、家庭での生活に専念することになった。

教職に就いていた彼女は二児を授かり、下の子を保育園に入れるタイミングで復職したのだが、プライベートを大事にしたいという気持ちからしばらくゆっくりすることに決めたそうだ。

辞めてよかったのかなと思うときもあるが、子どもたちと過ごす時間がある今は幸せだと彼女は語っていた。

彼女の選択を思ったとき、ツイッターのタイムラインで見たこのようなつぶやきを思い出した。
「専業主婦だワーキングマザーだと言うけれど、たまたまそういう『時期』があるだけのこと」
どなたのいつくらいのつぶやきだったか忘れてしまったのだけれど、すごく納得、というかストンと落ちるような感覚があった。

自分も含め、今のお母さんたちはマジメさゆえに「自分は専業主婦だから」「ワーキングマザーだから」と、何もかも背負いすぎているのかもしれない。

もちろん家庭の事情や経済的な理由などにより働きに出たくてもなかなか出られない人もいれば、仕事を辞めたいけれど辞められない人もいる。

だけど、自分を追い詰めないためには、自分の現在のステータスを永遠に続くものではない、くらいに考えたほうがいいのかもしれない。

専業主婦であることが、ワーキングマザーであることが、自分の属性の全てではない、たまたま今はその時期であるというだけのこと。どちらに転ぶことだって大いにあるのだと。

情報番組や週刊誌で報道される「ママ友の実態」や「専業主婦vsワーキングマザー」はお茶の間を怖がらせ、楽しませるためだけにあるような気がして、何だかむず痒くなってくる。

それがエンターテインメントの醍醐味と言われるとそれまでなのだけれど、メディアが求めるほどに、当人たちは対立しているわけではないと思う。
いや、でも本当に対立するほどの余力はないのだよと言いたくもなる。


数ヵ月前、フジテレビ系のドラマ『名前をなくした女神』が再放送されていた。ママ友地獄を描いたことで話題になっていたドラマだ。

リアルタイムでは見ていなかったのだが、興味が沸いて何度か見てみたのだが、やはりピンとこなかった。子どもがもう幼稚園に通っているママの世界だからか? ちょっとお金持ちが多そうなエリアを舞台にしているからか?

ドラマだから誇張しているのだろうけど、このドラマで描かれている「ママ友」は少なくとも私の知っているものではなかった。娘が保育園なり幼稚園なり行くようになったらまた違う人間関係が生まれるのだろうけど、今の私にとってママ友は疎ましくも面倒くさくもない、それどころかありがたい存在だ。

だから立場が違っていても、みんなのことを応援しているし、どんな小さい悩みや愚痴でも聞かせてほしいと思っている。

友人一人ひとりの顔を思い浮かべながら、次会ったらどんな話をしたいか、と考えてみた。
……お酒を飲みながら話できたら最高なんだけどな!

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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