「ガソリン税+石油税+消費税」 複雑な「ガソリンと税」の仕組みを税理士が解説!

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2014年07月26日 10:31  弁護士ドットコム

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ガソリンの価格が高止まりしている。海外産油国の不安定な情勢などを背景として原油価格の高騰が続いているからだ。資源エネルギー庁の発表によると、7月22日時点のレギュラーガソリン店頭価格は1リットルあたり169.8円。20週ぶりに値下がりしたのだが、下げ幅はわずか0.1円だった。


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マイカー族にはつらい今のガソリン価格。しかも、特別に複数の税がかかっていて、なんと価格の4割が税金で占められているのだという。その仕組みはどうなっているのだろうか。中村太郎税理士に聞いた。



●ガソリン税は1リットルあたり53.8円


「ガソリン価格の中には、(1)ガソリン税、(2)石油税、(3)消費税という、3つの税金が含まれています。



(1)の『ガソリン税』は、ガソリン1リットルあたり53.8円が課税されています。



(2)の『石油税』は、1リットルあたり2.54円が課税されています。原則はガソリン1リットルあたり2.04円の課税ですが、地球温暖化対策の特例により、平成26年4月1日から平成28年3月31日までは、1リットルあたり2.54円。平成28年4月1日以降は1リットルあたり2.8円が課税されます。



(3)の『消費税』は、消費税と地方消費税を合わせて、「ガソリン本体価格+ガソリン税+石油税」の合計金額に対して8%が課税されています。ガソリン1リットルあたり169.8円の場合、消費税は12.6円となります」



レギュラーガソリン価格の図解





●二重に課税される理由とは?


「ガソリン税や石油税」にも「消費税」がかかるということは、二重に課税されているわけだが、なぜそんな扱いになっているのか?



「ガソリン税と石油税の納税義務者は、石油会社です。



私たちが購入する商品やサービスの販売価格には、こうした『企業が負担する税金コスト』も上乗せされているのが通常です。たとえば、企業が商品やサービスの価格を決める際には、法人税や固定資産税の支払いも考慮しますよね。



ガソリン本体価格のみならず、ガソリン税と石油税にも消費税が課税されるのは二重課税である、という議論は昔からありますが、ガソリン税や石油税が最終的に消費者の負担になっていたとしても、それはビジネス上、通常のことなのです」



私たちが支払うガソリン価格のうち、税金はどれぐらいなのだろうか?



「ガソリン1リットルあたり169.8円の場合、ガソリン税53.8円+石油税2.54円+消費税12.6円となり、合計68.94円の税金が含まれています。ガソリン小売価格の約40%が税金であることが分かります」



中村税理士はこのように解説していた。



【取材協力弁護士】


中村 太郎(なかむら・たろう)税理士


中小企業を中心とした法人・個人への税務・財務指導を14年間で200社超経験。 税理士として中小企業の節税コンサルティングを得意とし、起業相談や創業補助金、創業融資など、税務・財務・経理・融資についての堅実なサポートに定評がある。


事務所名:中村太郎税理士事務所


事務所URL:http://www.nakamura-taro.com/


(税理士ドットコムトピックス)



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  • 原油価格がどんどんと値下がりすることが予想されるし、消費税で国の借金を返済するのでなく、日銀がガソリン税や石油税で原油を買い占めて売買すれば純利益で返せる。
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