妻からのDVに悩む男性が取るべき対処法

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2014年07月27日 17:10  JIJICO

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JIJICO

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女性からのDVに悩む男性が増加


DVとは、交際相手や配偶者から「身体的暴力」や「精神的暴力」を受けることです。元来、DVは男性から女性に対して行われるものとの認識が一般的でした。しかし、女性の社会進出や地位向上により、あらゆる局面で男性と肩を並べる女性が多くなり、「肉食系女子」「草食系男子」などの言葉が生まれる中、女性からのDVに悩む男性が増えています。


それにもかかわらず、男性は、男性であるがゆえに、女性からのDV被害について人に相談することをためらったり、我慢すべきだと思い込んだりして、一人で悩んでいるケースが少なくありません。もちろん、男性・女性に関わらず、他人に身体的・精神的被害を与えることは許されるものではありません。それに、男性だって傷つくこともあれば、痛みも感じます。だからこそ、男性でもDV被害を受けた場合は、積極的に問題解決を図るべきなのです。


予防策として、日頃から相手と積極的にコミュニケーションを図る


では、このようなDV被害に対して、どのような対処をとれば良いのでしょうか。まず、予防策としては、日頃から相手と積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。なぜなら、DVが行われる背景には、生活時間のすれ違いや、互いの理解不足などがあるからです。これにより、相手が自分のことを、家族ではなく、ただの「同居人」または「邪魔な物」として見てしまい、攻撃対象とするのです。


とはいうものの、このような予防策を取っていたとしても、別のことが原因でDV被害を受けることがあります。そのような場合でも、自らの主義、主張をしっかりと相手に伝えて話し合うことが重要です。


DVが収まらない場合は、互いのために前向きに捉え「逃げる」


それでもなお、DVが収まらないのであれば、次に取るべき方法は「逃げる」ことです。具体的には、それぞれの自治体の相談室や専門家に相談をしたり、DV被害者の男性用シェルターを利用することです(ただし、このような相談室や男性用シェルターは全国的に見ても、まだまだ十分といえないのが現状です)。「逃げる」という言葉に抵抗を感じる男性もいるかもしれませんが、互いのために前向きに捉えるべきです。


このような様々な努力をしても、なんら問題の解決策が見つからない場合は、最終的な手段として、離婚することが考えられます。DVは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法第770条1項5号)となる可能性が十分にあります。ただし、その場合は、医師の診断書や、DV行為の際の動画や音声など、客観的証拠を残しておくことが非常に重要です。


そして、最も大切なことは、DV被害に対して感情のコントロールができなくなり、過剰な防衛行為により、自らが加害者にならないように気を付けることであることを、心に留めておいてください。



(中務 未樹・弁護士)

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  • 女性からのDVを「鬼嫁」という言葉でバラエティ化したTV局はちょっと反省しろって思う。深刻さが語られにくいのは実際には、女性からのDVの方。
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