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子どもが「お友達にいじわるされた」と泣いて訴えたら、親としては「何があったんだろう」と心配になりますね。そんな時、どのように対処したらいいのでしょうか?
『グローバル社会に生きる子どものための−6歳までに身に付けさせたい−しつけと習慣』の著者・平川裕貴が、この時に親がやるべきことを考えてみたいと思います。
■いじわるについて親子で一緒に考えるのがベター!
口が立つようになると、一人前と思いがちです。しかし、小さい子どもは、語彙もまだ少なく、自分の気持ちや感情をうまく伝えることができません。
そして、まだ相手の気持ちを気遣うというような訓練は十分できていません。ですから、いじわるを言った子にも、いじわるをしているという自覚のないことも多いのです。
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そのため、大抵はただ自分の感情や欲望をストレートに表現しただけということです。よって、こういう場合は、いじわるをされたという出来事について、子どもと一緒に考えてみましょう。
幼児なので、うまく表現できないのは当然です。状況がよくわからないことも多いでしょうが、詰問するような言い方はNGですよ。
子どもの話がよくわからないときは、子どもの言葉を繰り返しながら確認していきましょう。
例えば、
ママ「どんなことがあったの?」
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子ども「●●ちゃんが一緒に遊んでくれなかった」
ママ「そうなの、一緒に遊んでくれなかったの? ●●ちゃんに何か言われたの?」
子ども「”今はダメ! あっちへ行って”って言われた」
ママ「そうか。”あっちへ行って”って言われたんだ。その時、××ちゃんはどんな気持ちがした?」
子ども「悲しかった……」
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ママ「そうだよね。悲しいよね。でも、●●ちゃんはいじわるで言ったのかな?」
子ども「そうだよ。どうして?」
ママ「う〜ん、もしかしたら、●●ちゃんはただ一人で遊びたかっただけかもしれないなって、ママは思ったんだ。××ちゃんはどう思う?」
子ども「……わからない」
ママ「今度、●●ちゃんが同じようなことを言ったら、そんな風に言われて悲しいんだけど、どうしてって聞いてみたら?」
子ども「うん、聞いてみる」
ママ「××ちゃんは、他の子にいじわるはしていない?」
子ども「してないよ」
ママ「よかった。いじわるされると悲しいもんね」
■子どもが友達にいじわるされた時の対処ポイント5つ
上記のように会話が進むかどうかは別として、対処のポイントは次の5つです。
・いじわるをされると悲しいとわからせる
・ものの言い方によって人を傷つけると気づかせる
・別の受け取り方があるかもと伝える
・自分の気持ちや疑問を伝えてもいいと教える
・自分がされて嫌なことはしないでおこうと思わせる
子ども時代は、喧嘩や意地悪をした・されたということなどから、人とのかかわり方を学んでいく訓練期間。「辛い」「悲しい」「寂しい」という感情を知り、それらの感情を処理していく方法を身に付けていくのです。
幼児期にこういう経験をたくさんすればするほど抵抗力がつき、精神力が強くなっていきます。「みんなが幼児期にこんな訓練をいっぱいできていれば陰湿ないじめも少しは減るかも」と思います。
しかし、こういうことは大人の世界にもあることですから、避けて通れない問題ですね。
なお、小学生以上になるといじわるの質も変わってきて、言ってみれば確信犯です。
陰湿になるケースも多いので、別の対処の仕方が必要になってきます。今回はあくまでも幼児に対しての対処法として、参考にしてください。
※ 平川裕貴・・・日本航空国際線CA、外資系英語スクールを経て、1988年に子ども向け英会話教室を設立。
30年以上に亘り子ども英語教育に携わり、現在3歳から6歳までの子どもにバイリンガル教育を実施中。近著は『グローバル社会に生きる子どものための−6歳までに身に付けさせたい−しつけと習慣』。
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