大井川鉄道からローカル鉄道の生き残る道を紐解く

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2014年09月12日 10:10  JIJICO

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観光列車の拡充はローカル鉄道の起死回生策


ローカル鉄道の7割超が赤字といわれている中、大井川鉄道は7月から登場したイベント列車「きかんしゃトーマス」号を9〜10月にかけて5本増発。高い人気を集めています。


ローカル鉄道が生き残るために、こうした観光列車の拡充は起死回生策として活用されるケースが増えています。今回は大井川鉄道を参考に、その秘訣を3つ紹介します。


新しい概念のサービスを提供することでファンの心をつかむ


1つ目は、新しい概念のサービスを提供することです。ローカル鉄道が赤字運営になっている原因として、人口減少により鉄道で移動する人が少なくなったことや、車の普及によって鉄道に乗らなくても移動できるようになったということが考えられます。そういった原因を踏まえると、従来の「鉄道=乗り物=移動手段」を今後も主サービスとして提供していくだけでは、赤字の改善を期待できません。つまり、生き残るためには新しい概念のサービスを提供していくことがポイントになるということです。


大井川鉄道では、「子どもに人気のトーマス号に乗れる」という「体験」をサービスとして提供しています。ほかの鉄道会社でも、「ブライダルトレイン」といった、結婚式の「場」としてサービスを提供するところや、車窓を眺めながらくつろげる「足湯」を設置するなど「付加価値」をプラスした新幹線もあり、どれも「移動手段」をサービスとして提供しているわけではいことがわかると思います。


ホームページを活用し、全国から顧客を集める


2つ目は、集客するためにホームページを活用するということです。全国から顧客を集めるためには、多額の広告費をかけてテレビCMを全国に流すしかないと考えがち。しかし、インターネットが普及したことにより、ホームページを通して伝える活動をしっかりと行っていれば、全国から顧客を集めることが十分できるようになりました。


大井川鉄道もホームページのコンテンツを充実させており、「きかんしゃトーマス」はもちろん、目玉商品であるSLに関する様々な情報なども公開しています。


「生活路線」から「ファンに愛される路線」に変更


3つ目は、ファンを集める活動を行っていることです。鉄道には車体のファンが集まりやすい特徴があり、「車体」だけではなく、「鉄道会社」そのものを応援してくれるファンを集める活動もしっかりと行うことが、生き残りのために重要な活動です。


大井川鉄道では「ファンクラブ会員」を募集しており、会員のためのサービスを提供するなどファンを大切にする活動を行っています。ローカル鉄道の多くは「生活路線」としての運営は成り立たない状況であるため、生き残るために「ファンに愛される路線」へと路線変更することも求められるのです。


これら3つは、ローカル鉄道だけではなく、業種に関係なく真似できる秘訣ともいえるでしょう。



(伊藤 伸朗・集客・顧客情報活用コンサルタント)

このニュースに関するつぶやき

  • そんな幹線路線と直結しているローカル線が参考になるとお思いか? 新幹線の掛川まで東海道本線で二駅やぞ? せめて伊東の相互乗り入れの伊豆急くらいを参考にしてくれや
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