「いま『面白い』小説」とは何か? 創刊100年をむかえる新潮文庫の"答え"

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2014年09月30日 19:12  BOOK STAND

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『いなくなれ、群青 (新潮文庫)』河野 裕 新潮社
今年で創刊100年を迎えた新潮文庫が8月28日、新たに「新潮文庫nex(ネックス)」を刊行しました。

 100年という歴史の節目を迎えた新潮文庫が、新たな挑戦として立ち上げた同シリーズ。シリーズ名の「nex」には、漫画やライトノベルの「次」に手に取れる小説、という意味が込められているそうです。その証拠に、同シリーズにはさまざまな意味での"新潮らしさ"が一新されています。例えば、表紙には色鮮やかなイラストがあしらわれ、新潮文庫でおなじみのスピン(しおり紐)もありません。

 老舗文庫の新たな一面を垣間見たような今回のシリーズですが、担当編集者は作品の"とある"ものに並々ならぬこだわりを持っているのだとか。それが、作中に登場する「キャラクター」です。

 一世紀もの間、世に名作を送り出してきた新潮文庫が、「いま『面白い』小説とは何か」という問いへの答えとして出したのが、この「キャラクター」でした。確かに、ジャンルを問わず長く愛される作品には個性豊かで、愛される、いわゆる"キャラ立ち"しているキャラクターが多く登場するもの。例えば、歴史小説『三国志』や漫画『ジョジョの奇妙な冒険』といった人気作には主人公以上に目立ってしまうような人物が登場し、作中で多くの名言を残しています。

「新潮文庫nex」の第1弾作品として刊行された、河野裕さんによる青春ミステリー『いなくなれ、群青』にも、そんな"キャラ立ち"した人物たちが登場します。主人公は高校生の「僕」、そして、僕の前に突然現れた、凛々しく、どこまでもまっすぐな幼なじみ・真辺由宇。そんな二人の出会いをきっかけに、物語の舞台となる「階段島」は連続落書き事件をはじめ、さまざまな謎に包まれていく――というストーリーです。

『いなくなれ、群青』は、9月第2週に三省堂神保町本店の全文庫ランキングで1位獲得するなど、幅広い読者層に受け入れられている様子。第2弾の10月新刊として、『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズで知られる谷川流さんの新作など、新たな6作品がリリース。今後、一体どんなキャラクターたちが新たな物語の世界へと連れて行ってくれるのか、必見です。



『いなくなれ、群青 (新潮文庫)』
著者:河野 裕
出版社:新潮社
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  • 河野裕は「サクラダリセット」読んだけど、中身スカスカでクソつまんなかったから二度と読まない。
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