ママになった元モー娘。対談動画の涙に思う、子育ての「同志」「戦友」というつながり

1997年の結成から今年で17年――。
モーニング娘。初期メンバーにして初代リーダーの中澤裕子、そして同じく初期メンバーだった石黒彩。
“立ち上げメンバー”としてともに戦ってきた戦友ともいえるこの二人が、スタジオで泣きながらのガチンコトークバトル……、という動画がネット上で話題になっている。


▼動画が見られない場合はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=1g467bR4NsA

この動画は“オンナのカクシツ”がテーマの対談企画「THEカクシツ」。
レフリー立ち会いの下、「お互いの第一印象は“ヤンキー”だった」という二人が、当時は言えなかった本音や確執をぶつけ合うというもの。


モーニング娘。といえば厳しいレッスンやメンバー同士で教育係をつけて後輩の指導にあたる姿がテレビで同時進行的に放送され、甘ったれた気持ちでアイドルは務まらないということが素人目にもわかるほど、ピリピリした空気の中できあがっていったグループでもある。しかも、デビューからトップアイドルに登りつめていく過程での中心メンバーであった彼女たち。

プライベートでも仲良しという二人だが、当時のことを思い出したらヒートアップしたのだろうか、「中澤、楽屋のお菓子独り占め問題」などについて激しい応酬が続く。


しかし、石黒の“卒業”にまつわる思い出話になると場の空気は一変。
服飾の勉強をするために、中澤に相談できないままモーニング娘。卒業を決めた石黒が、その思いを告げる。

当時を振り返って「さみしかった……」と語った中澤。
ライバルであり、同志であり、親友でもあった二人の涙は止まらない。



モーニング娘。として一緒に活動した期間は短いが、“激動の時代”をともに過ごした仲間である。その濃密さは計り知れないものがあるだろう。

卒業後まもなくして母になった石黒。そして中澤も今は結婚し、ママになっている。
「（中澤がモーニング娘。時代に）グループを引っ張るためにどれだけがんばったか知ってる。ゆうちゃんが幸せでうれしい。今は幸せな話を二人でいっぱいできるようになった」と石黒は語った。




―― 「あのときがあって今がある」という関係性。
若いときにはお互いぶつかり合っても、時が経ってそれなりに落ち着いてからまた会うと、非常に心地いい間柄になるということは、筆者も経験があることだ。

たとえば、高校時代に互いに切磋琢磨した部活の同期たち。
それぞれが子どもを持つ年齢になっているので今は子連れで集まることもある。

もちろん若気の至りで過去にはいろんな衝突もしたことがあったけど、20年近く経つと正直そんなことはどうでもよくなって、たまに思い出してネタにすることはあるけれど、今は気心の知れたママ仲間としてオンラインでもオフラインでもゆるくつながり続けている。

そして、保育園の保護者たち。
コアメンバーが変わらないまま3年も経つとさすがに連帯感が出てくるというものだ。
第一印象がお互いに「うわあ！すごいのきた！」というものであったとしても、話すとみんなフランクで、お互いの子どもを見守りながら大人同士の関係性も出来上がりつつある。

進路によっては少なくとも子どもが15歳になるまでは同級生の親としての関係が続くだろう。人によってはそれ以上の長期にわたって学校が同じということも出てくるかもしれない。

いわば私たちは今、“子どもを育てる”という同じ目的をもって進んでいる戦友である。
時にライバル、そして同志、イベントなど大きな山場を乗り越えたあとに感じる達成感。

もちろん人によって合う・合わないがあるけれど、最近は、10年後に子ども抜きで飲みに行っている姿も想像できる。（もうちょっと早めにそのときは訪れる気もするが）

アイドルグループも保育園の保護者の集まりも、どちらかというと女性が多い集団であり、「女性の集団」にはある独特の張り詰めた空気感が存在するように思う。
そんな軋轢の果てにつもりつもった“カクシツ”を削ってみたら、唯一無二の大親友が出来上がる。

オンナって奥が深い生き物だなあ、と改めて思ったしだいなのであった──。

【関連リンク】
・ベルベットスムーズ電動角質リムーバー
http://drscholl.jp/vs/
・【THEカクシツ】元モー娘。中澤裕子と石黒彩のリアルすぎる本音＆涙!?
https://www.youtube.com/watch?v=1g467bR4NsA

ワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。