自分に投資しなければ「よいもの」は生まれない

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2014年10月14日 06:41  BOOK STAND

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『「人真似は、自分の否定だ」クリエイターの60訓』高橋宣行 ディスカヴァー・トゥエンティワン
昨年の大ヒットドラマ『あまちゃん』に主演してブレイクした女優の能年玲奈さん。今年はCMでも大活躍しています。数多くのCMに出演した能年さん。特に印象深かったのは『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』のCMで、大雨の中、スライムに扮した能年さんが「僕、強くなるから...仲間にしてよ!」と叫ぶシーン。

 こうした注目を集めるCMは、主演者の注目度ももちろんですが、意外性やストーリー性も重要。同CMの場合、「僕、強くなるから...仲間にしてよ!」のような、ドラクエファン、能年さんファンに刺さるようなコピーワークの見事さも光ります。

 では、一体、どのようにしてセンスあふれるコピーは生まれるのでしょうか?

 書籍『人真似は、自分の否定だ クリエイターの60訓』は、元博報堂の制作部長である高橋宜行氏が、30年間の現場生活で学んだ「言葉」を公開した一冊。広告業界は、決して華やかだと思われがちですが、それだけでなく厳しい世界であること、また、愛のある世界だとわかる名言集です。

 同書で紹介される言葉の一つに、「自分への投資が足りないよ」というものがあります。これは、高橋氏が新人の頃に先輩から言われた言葉。広告制作は雑学、だからもっと自分に投資しないといけない、という意味です。高橋氏は今でもこの言葉を大切にし、若手を鼓舞しているそうです。

「アイデアは自分の中からしか生まれません。自分の見たこと、読んだこと、聞いたこと、体験したこと、そして考えることで生まれてきます。その時、どれだけ異質な情報をひっぱってこられるか、情報をどう組み合わせることで新しい価値が生まれるのか。そこには知識や体験の多さから生まれるセンスが問われます。見て聴いて読んで体験するからセンスは磨かれ、さらに自分に投資することで感度が高まります。それがすべての発想につながっているのです」(同書より)

 なにか新しいアイデアを生み出そうとした時、インターネットで検索ばかりしていては、上っ面の情報しか集まりません。また、オリジナルも生まれません。説得力あるアイデアを生み出すためには、自身の知識と体験が欠かせないということ。

 高橋氏は、クリエイターの仕事を一流のシェフを喩えます。力のあるシェフほど、新しい素材を探すために足繁く現地に通い、また好奇心をもって別ジャンルの料理店に入ります。彼らは、新しい知識や体験から、新しい組み合わせが生まれ、それが、創造性のあるひと皿になることを知っているのです。

 これからコピーライターやクリエイティブ業に進もうと考える人は、この「自分への投資が足りないよ」の言葉を覚えていても、損はしないのではないでしょうか。



『「人真似は、自分の否定だ」クリエイターの60訓』
著者:高橋宣行
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • 記憶の断片を繋ぎ合わせる力が、センスexclamation ��2しかし、知識が少なければセンスを生かしきれない。
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