多くの人が様々なパスワードを使い分けなければならない時代だ。ブログのログイン、SNSへのログイン、ネットバンクのログイン、株やFXの売買でネット証券にログイン、ネットショッピングのためのログイン…。
これらを紙に書いて持ち歩くわけにはいかない。しかし複雑な文字列を暗記するのは困難だ。そもそも、暗記できるような単純なパスワードでは危険だし、全てを同じパスワードで統一するのは自殺行為だ。
そこで身に付けていれば自分の代わりにパスワードを選び出してくれるウェアラブルデバイスがクラウドファンディングのKickstarterに登場した。
見た目はお洒落なリストバンドになっている。
パスワードを管理してくれるリストバンド「Everykey」
「Everykey」は一見お洒落なリストバンドだが、実はパスワードを管理するウェアラブルデバイスだ。
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まだまだ開発途上のデバイスなので、今後どのような使い方に拡張していくか未知数だが、現状での使い方は簡単だ。
専用アプリをMacやWindowsやAndroidにインストールすれば良い。後は「Everykey」とBluetoothでペアリングする。
「Everykey」がデバイスと通信できる範囲(有効半径3m程度)に入ると、必要なパスワードが選ばれ、入力される。
「Everykey」はパスワードのキーチェーンも管理するため、複数のオンラインアカウントにログインすることが可能だ。
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しかもデバイスが遠ざかると、自動的にセキュリティーが再有効になるという。
実は「Everykey」自身にパスワードが登録されているわけではない。サーバー上に暗号化されて保存される仕組みだという。また、通信は暗号化されているため、紛失された場合は販売元に電話すればすぐに「Everykey」を無効にできる。
この辺りはクレジットカードに対する対応に似ている。
また、「Everykey」が消費する電力は非常に小さいため、一度充電すると、約1ヶ月は使えるというから、毎日充電する煩わしさは無い。
将来的にはまさにウェアラブルな電子キーホルダーの様になり、家のドアから自動車のロックまで近付いただけで瞬時で開錠できることを目指しているようだ。
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常にアクセサリーとして身に付けていられるように、防水設計も施されており、手を洗ったりする際にも気を遣う必要な無さそうだ。
現状より、将来の可能性に期待したい
Kickstarterでは本稿執筆時点で、残り15日の段階で目標額10万ドルに対し66,749ドルを達成している。
商品が予約者に届くのは2015年の3月頃のようだ。
ただ、「Everykey」には様々なパスワードを管理してくれるツールという発想の限界も感じる。
欲を言えばパスワード自体を無くし、SF映画のシーンの様に、様々なデバイスが生体認証でアンロックされることだろうなぁ、などと感じさせられたガジェットでもある。
*画像出典:Everykey: The Wristband that Replaces Keys & Passwords by Everykey LLC — Kickstarte、Everykey: The Wristband that Replaces Keys & Passwords