イーロン・マスクの野望は宇宙へ向かう

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2014年11月19日 11:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

イーロン・マスクといえば現在は電気自動車のテスラモーターズのCEOであり、宇宙旅行プロジェクト SpaceXを推進していることで有名だ。

オンライン決済システム PayPalの共同創業者でもあり、いわば IT革命の立役者といってもいいだろう。

イーロンの次なる狙い

学生時代、イーロンは将来「インターネット」「クリーン・エネルギー」「宇宙」の3分野で活躍したいと考えていた。

インターネットは PayPalで、クリーン・エネルギーは テスラで、宇宙は SpaceXでまさに実現させつつある。しかし彼はそれだけに飽き足らないようだ。今も新しいプロジェクトを発表するべく準備を進めているという。それはなにか?

衛星インターネット

噂によるとそのプロジェクトとは「衛星インターネット」の計画だという。

しかし待ってほしい、衛星インターネットは1990年代からサービスを提供したが、運用コストの高さや帯域制限により実用性に乏しくいずれもビジネスとしては成功したとはいえない分野だからだ。実はイーロンが注目する前から、IT業界では再び「衛星インターネット」に注目が注がれている。

グーグルとFacebookが相次いで計画

昨今のスマートフォンの普及により、インターネット接続可能な端末は爆発的に増加している。これらの特徴はいずれも携帯電話ネットワークを経由することで、人口カバー率を稼いでいる。この手法は携帯電話が普及している先進国では上手くいった。ただスマートフォンの普及はいずれ収束を迎えることが予想されている、まさにPCのように。

もうひとつ、重要な現象は発展途上国ではPCが普及するよりも先にスマートフォンが普及しはじめているという事実だ。順番的には先進国ではPC、スマートフォンとなっていたが、家に通信ネットワークがないという発展途上国ではWiFiも近くになく、高価なPCよりも確実にインターネットに接続できるスマートフォンの方が便利で手軽だったのだ。

この傾向をインターネットサービスを提供する Google、Facebookが見逃すはずがない。PC、スマートフォンユーザーが飽和するということは彼らのサービスのユーザーが飽和することに他ならない。成長を持続させるためには、まだインターネットが普及していない国にインフラを整備することが早道である。

その結果、一見オールドファッションに思える「衛星インターネット」のアイディアが再び脚光を浴びている。発展途上国のありとあらゆる場所にアンテナを立てるよりも効率的かつ、コストも安いという判断なのだろう。

過去の衛星インターネットとの違いはその衛星の数と高度である。より数を増やすことで人口が密集していない場所であっても、広範囲にサービスを提供し、低高度にすることで通信速度を高くすることが可能だ。Googleは180基以上の小型衛星を使う計画があるという(参考:Google Invests Billions on Satellites to Expand Internet Access 、Google、衛星企業Skyboxを5億ドルで買収──Project Loon推進へ – ITmedia ニュース)。

通信速度を早くするために、より低い高度にたくさんの基地局を配置させようというアイディアもある。また航空機、飛行船、バルーンなら衛星をあげるよりも安価に運用が可能だからだ。ドローン(無人航空機)技術を使うことで自動的に発進、長時間空中で滞在させ、エネルギーが切れる前に自動帰還させることが可能で、Facebookはこの方法を検討している(参考:Facebook、無人機や衛星によるネット網構築のための「Connectivity Lab」を立ち上げ – ITmedia ニュース)。

SpaceX社の技術を利用

GoogleやFacebookのこうした動きがある中、イーロン・マスクの次なる計画が「衛星インターネット」というのはごくごく自然である。特に現在開発を進めている宇宙旅行のための SpaceX社の技術を活かすことが当然できるからだ。

今はまだ憶測、噂に過ぎないが、元Googleの衛星インターネット担当 Greg Wyler氏と協業し、700もの小型衛星を打ち上げる計画だという。

地上だけではなく、宇宙に出てもGoogleとFacebookとの熾烈な覇権争いは続くというところだろうか。イーロンのツイッターによると2、3ヵ月内に詳細を発表するという(参考:Elon Musk confirms satellite plans, announcement ’2 – 3 months away’ )。

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