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脚に障害を抱えて生きるのは、世界のどこであれ大変なこと。
障害を抱えていない人と同じように生活するためには、優れた用具やパートナー、そしてインフラ整備が欠かせない。
先進国では、まだ満足とは言えないまでも、そうしたものが揃いつつある。なにより、家を出た瞬間から「舗装された道路」がある。それが恵まれている環境であることを、発展途上国の事情を知れば誰もが痛感するはず。
車椅子を必要とする大多数の人々は地方に住んでおり、公共交通機関はまだまだ未発達で、職場や学校やコミュニティへは未舗装のデコボコ道の長距離を、自力で移動しなければならない。
人々が手に入れることができる用具はすぐに壊れたり、壊れてもその場で修理できない物ばかり。「道路が舗装されていない」土地では、障害を持つ人々の生活は困難極まりない。
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そんな現状を打破しようと、米国で機械工学を学ぶ学生たちが知恵を絞って開発したのが、レバー式フリーダムチェアー(LFC)。
マウンテンバイクのような車椅子だ。
見た目にも惹かれる大きな特徴はまず、破れにくいゴムから開発したという太くて大きく頑丈な3輪のタイヤ。さらに、操作も通常の車椅子とはちがい、レバー式だ。
レバー下部を握れば大きく漕ぐことができ、速度が増す。万が一悪路にはまってしまっても、レバーの上部を握ってベンチプレスのように動かせば、悪路から脱出することができる。
そして、コンパクトな収納・携帯性も魅力。レバーを外して車体のフレームに収めれば通常の車椅子として使用することもでき、トイレの中など狭い場所でも小回りがきき動きやすい。
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![LFC¼Ö°Ø»ÒÁö¤ë](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/11/9e9b2e3737175b5c8d83af2c6b9d643a-690x431.png)
さらに発展途上国において重要なのが、簡単に修理できること。地元の修理工でも手に入る工具と部品と知識で修理できるようにしたことで、世界中で部品を調達し、しかも安価に作ることができる。
脚を負傷してから、通常の車椅子では1キロ先の職場まで行けなかった人が、また働けるようになった。家族や友人に会いに行けなくて寂しい思いをしていた人が、自分から会いに行けるようになった。
LFCユーザーから、こんな嬉しいエピソードが届いている。LFCがあれば、障害を抱えても自力で移動できる。自立ができる。
そしてその先には、発展途上国に限らず、すべてのLFCユーザーが海、山、高原といったこれまで車椅子からは見ることのできなかった、新しい世界と出会う自由が広がるはずだ。教育の充実や、就業率のアップも見込めるのではないだろうか。
現在、学生たちはこのLFCの普及を目指し、ベンチャー企業を立ち上げて資金調達を募っている。すでに244の後援者と$62,000以上の資金が集まっているが、満足な普及にはまだまだ応援が必要だ。
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*参考:Freedom Chair: the Adaptive All-Terrain Mobility Machine by GRIT — Kickstarter、Global Research Innovation and Technology