遺伝子検査への認知度が100%に達し普及へ弾み

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2014年11月23日 16:40  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

以前、FUTURUSでも紹介した遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」を2014年8月より開始していた株式会社DeNAライフサイエンスが、20代から70代の男女に対して遺伝子検査に関する意識調査を11月に実施した。

その結果、遺伝子検査の認知度が100%に達するなど、興味深い調査結果が出たので、それらについて見ていきたい。

遺伝子検査への認知度が向上している

まず、最も注目されるのは、6月に実施した同様の調査では遺伝子検査を知っている人が87.2%であったのに対し、今回の調査では100%の人が「知っている(38.7%)」、もしくは「聞いたことがある(61.3%)」と答えたことだ。

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つまり、同社が「MYCODE」のサービスを提供開始してから僅か3ヶ月の間に、世間には遺伝子検査のことが広く知れ渡ったことになる。

これは、「MYCODE」の広告だけでなく、遺伝子検査ビジネスに参入した企業が増えたことが影響しているだろう。

そして「遺伝子検査を受けてみたい」人は32.5%で「受けてみたいと思わない」人23.8%を上回っており、遺伝子検査に対する関心が高まっていることがうかがわれる。

もっとも、「今はわからない」と言う人が43.7%と最も多いことから、まだまだ積極的に受けてみたい、という風潮では無いことも分かる。

意外にに若い世代が病気を予防したがっている?

また、遺伝子検査を受けたい人は健康が気になり出したシニア世代かと思ったが、これは予想がはずれ、20代の50.5%がトップだった。2位は30代の49.0%で、3位が50代の30.5%だった。

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これは、遺伝子検査が必ずしも健康志向が高まるシニア層にばかり関心を持たれているという訳では無さそうだ、ということを示している。あるいはやはり新しいサービスについては若い世代の方が敏感ということだろうか。

いずれにせよ、市場のターゲットとしては、案外若い世代を狙えるということになる。

一方、遺伝子サービスの利用で重視されているのは一位が「病院や公的な研究機関が行っている」63.5%、2位が「有名な検査機関が検査分析を行っている」56.7%、3位が「医師のアドバイス等アフターケアが充実している」52.6%であることから、20代の人達も含めて遺伝子検査には信頼性があるサービスを利用したいと考えており、健康へのフィードバックができることも望んでいるようだ。

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つまり、若い世代でも健康志向が高まっているのかもしれない。それを示す調査結果として、遺伝子検査で何を知りたいかという回答には、一位から順に「がんのリスク」「認知症のリスク」「脳疾患のリスク」と続いた。

しかも「がん」「心臓病」「脳疾患」のリスクを知りたいと答えた世代別調査では、20代の53.0%が最も多く、次が30代の50.5%、40代の45.0%で、意外に50代は42.0%と低かった。

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理由は分からないが、若い世代ほど病気のリスクに関心もしくは不安があるのかもしれない。

FUTURUSでも注目してきた遺伝子検査

ところでこの遺伝子検査についてはFUTURUSでも注目してきており、これまでに3回の記事で取り上げている。

最初に取り上げたのが今回の意識調査を行ったDeNAライフサイエンスの「MYCODE」という遺伝子検査サービスについてだった(参考:「DeNA子会社の「遺伝子検査サービス」が予防医療をもっと身近に」)。

2014年の7月に発表されたサービスで、遺伝子検査から生活習慣病や癌などのリスク、体質などについて調べられるというものだ。個人が自宅で検査キットを使って簡単に遺伝子検査を申し込むことができるサービスの走りといえる。金額もコース別に9,800円から2万9,800円(いずれも税別)と、リーズナブルと言える範囲だ。

同社のコンセプトは「Sickケア」から「Healthケア」を目指すことだとしている。

次に取り上げたのはジェネシスヘルスケア株式会社が発表した「GeneLife Myself」についてだった(参考:「性格が知りたいなら遺伝子分析すればいいじゃない」)。

こちらは病気や体質だけではなく、生まれ持った性格や行動傾向について調べられるというサービスだ。やはり検査キットを使い、環境因子と遺伝的素質の観点から現在の個性と生まれ持った個性の違いを知ることができるという。自分の性格を医学的に把握することで、長所を活かし、短所を改善し、健全な精神状態を保つことを目指すという。

そして3つめに取り上げたのが、Yahoo!ヘルスケアの「HealthData Lab」に言及した記事だった(参考:「なぜ彼らはこぞって遺伝子検査サービスを始めるのか」)。

この記事では、遺伝子という究極の個人情報がどのように管理され使われるのかについて考察している。

遺伝子検査市場は拡大する

遺伝子検査が個人レベルで気軽に受けられる商用サービスとして提供されるようになっていることは、よくよく考えれば驚くべき事だ。

個人がサービスを受けるために提供した遺伝子情報は、個人情報との紐付けが切り離された状態になれば、病気や性格などとの関連を調べる為の膨大なデータベースとなる。つまり、企業や研究機関としては、利益を上げつつ研究材料を集めることができるとも言える。

遺伝子検査サービス市場は株式会社シード・プランニングの調査に依れば、現在はおよそ3,750億円で、2020年には7,800億円にまで成長すると予測されている。

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まもなく、私たちは占い本を読むような気軽さで、遺伝子検査サービスの結果に一喜一憂する日々を迎えようとしているのかもしれない。

*最後以外の図表:株式会社ディー・エヌ・エー調べ

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