スマートフォンの普及は、それ自体もわれわれの生活に大きな変化をもたらしたが、現在は次の段階に入ってきているといえるかもしれない。それは、周辺機器の爆発的な発展だ。以前なら単体で開発、製造するには手間やコストがかかりすぎたものが、スマートフォンを経由させたり、スマートフォンをインターフェイスとすることで圧倒的に簡単になったのだ。
Flicという名前のこのアイテムも、そんなデバイスのひとつだ。じつは、過去記事「IoT時代の到来を予感させる「魔法のボタン」が話題に」で紹介したbttnというデバイスと機能的にもコンセプト的にも近い。ただ、かなり小型で価格も安くなっている。
あらためてどういうものかというと、モノとしてはただの丸いボタンだ。しかし、任意の機能を割り当てることができる。たとえば、スマートフォンで操作しようと思ったら、ホームボタンを押して、ロックを解除して、アプリを選んで、操作しないといけない作業を、ワンプッシュでできるというようなものである。
たとえば、クルマに装着して、奥さんに「いま帰るよメール」をワンタッチで送れるようにしたり、次の待ち合わせ場所までの道案内を開始させるようにしたり。
スマートフォンのカメラのシャッターを押せるリモートボタンとして使ったり。
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身に危険を感じたときに、自分の居場所を家族に連絡したり、助けを呼ぶメッセージを送ったり、警告音を鳴らしたりということをができる。
しかも、「1クリック」、「ダブルクリック」、「長押し」の3つの操作に対して、別の機能を割り当てることが可能だ。
iOSにもAndroidにも対応
スマートフォン等との通信にはブルートゥースを使う。最大150フィート(約45m)まで通信が可能だ。内蔵電池は最大5年持続し、本体は防水、防塵仕様になっている。iOSであればiPhone4S以降あるいは第3世代iPad以降に対応し、Androidであれば4.3以降、ブルートゥース4.0以降に対応する。Flicの設定は専用アプリで簡単にできるようだ。
このFlic、現在クラウンドファンディングのサイトINDIEGOGOで資金を募集中だが、とっくに目標額の2倍以上を集めている。発売時期は2015年3月頃になりそうだ。
前述したbttnとは通信方法がちがうし、機能もやや異なるが、こちらはおそらく1個30ドル前後で発売されそうなので、だいぶ安価だ。また、小型なので携帯にも便利だ。家庭用にかぎらず、店舗や公共の場所でも使い道は多そうだ。
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使いかたのイメージは下の動画で見ることができる。
*出典:INDIEGOGO -Flic: The Wireless Smart Button-