時間の流れとともに楽しむ「放置」型の趣味。それはやはり、野心やエネルギーに溢れた若者よりも、世の中を知った大人の醍醐味と言えるだろう。
日本で放置型の趣味といえば、古来からたくさんの愛好家がいることで有名な「盆栽」がある。ゆっくりと伸びていく苗木に、ほんの少しだけ持ち主の「感性」を加える、日本人らしい粋な趣味だ。
そんな盆栽に「感性」ではなく「テクノロジー」を加えた、まったく新しいデバイスが登場した。
あなたの時間がこれからはクリーンエネルギーへと変わる。
太陽光をクリーンエネルギーに変換できる未来型盆栽
「Electree Mini」は、植木鉢に小さな木が生えたようなデザイン。手がけたのはフランスのデザイナーVivien Muller氏だ。まるで「盆栽」のような小さな木から生えた枝の先に合計9枚のソーラーパネルが配置されており、太陽光から電気エネルギーに変換できる放置型のデバイスである。
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集めたエネルギーを「Electree Mini」の下部からUSBで繋ぎ、そのまま充電が可能。単3と単4の乾電池へも充電できるようだ。また充電器として使わなくとも、「Electree Mini」自体がシンプルな照明となる機能も持っている。
満充電までは快晴時でおよそ4時間 最大1,200mAが確保できる
気になる充電時間は、快晴時の場合、4時間で1,200mA、2時間で半分の600mA、曇りの場合は48時間で1,200mA、24時間で600mA。iPhone5sのバッテリーがおよそ1500mAだと言われているので、だいたい一回分くらいは充電できる。
本体はポリカーボネート製で壊れにくい素材になっており、中は空洞で軽々と持ち上げられる。それぞれ分解できるのでメンテナンスも問題なさそうだが、防水機能は無いようだ。
枝の部分が可動するので、光の向きに合わせて方向を変えてあげれば窓際などでの充電も可能ではないだろうか?
開発のヒントは自然界の効率的なエネルギー循環構造から
電源はもちろんのこと、燃料も不要で、晴れた日に放置しておけば自然と一定のエネルギーを確保できる「Electree Mini」。最先端なデバイスにも関わらず、どこか愛着のある風貌だ。
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Muller氏は、自然界の非常に効率的でエレガントなエネルギー循環構造から発想を得て、今回の開発を思いついたのだという。自然の一部である私たちの周りには、こういった効果的なエネルギー確保のアイデアが、まだまだ沢山あるのではないだろうか。