水深3,000mの海底に清水建設が壮大な夢を描く

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2014年11月30日 11:20  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

清水建設が先頃、深海が秘める無限の可能性を利用して地球再生を図る深海未来都市「OCEAN SPIRAL(オーシャン・スパイラル)」構想を発表した。

地球表面の70%が海洋であり、その80%を占める深海には無限の可能性が秘められている。

同社は深海が地球生命圏を正常に循環させる大きなポテンシャルを持っているものの、そのポテンシャルをまだ活かしきれていないことに着目。

深海が持つ無限の可能性を引き出す

大気・海面・深海・海底を垂直に統合する海洋構造物により深海の無限の可能性を引き出し、これまでの陸上型効率至上主義開発とは一線を画す、サスティナブルな未来実現を目指している。

「OCEAN SPIRAL」は水深3,000〜4,000mの海域の平坦な海底が広がる場所に建設予定で、建設費約3兆円、5年の工期を想定している。

同社が深海に託すソリューションは以下の5つ。

・食糧:深海の温度と栄養を活かした沖合養殖漁業の拡充で食糧問題を解消 ・エネルギー:深海の温度差を利用した海洋温度差発電により世界的電力不足を解消 ・水:深海の圧力差による逆浸透膜式淡水化処理で世界的水不足を解消 ・CO2:CO2からエネルギーを造る地球本来の循環を活性化し地球温暖化防止 ・資源:海水・海底中に未利用資源の活用により陸上資源開発の環境破壊防止

SHIMIZU_OCEAN_SPIRAL

海底と海面をスパイラルに結ぶ

具体的には、海底に外径1,500mのリング状の海底資源生産工場「EARTH FACTORY」を建設、漂流防止用のアンカーケーブルで海底に固定。

4,000t/m2の水圧を受けるため、外壁は厚さ約10mのコンクリートと厚さ約2mの樹脂で構成。

SHIMIZU_OCEAN_SPIRAL

工場内では海底メタン生成菌を利用して地上で排出されたCO2のメタンガスへの転換やレアメタル、レアアース等の資源の持続的回収を行う。

一方の海面には主として人間の活動空間となる直径500mの球体「BLUE GARDEN」を設置。

SHIMIZU_OCEAN_SPIRAL

5,000人を収容できる一大空間

外周フレームは樹脂コンクリート製、外壁は透明アクリル板とFRPリブで構成されており、球体中央部の75層のタワーには400客室からなるホテル、10,000m2の商業・コンベンション、50,000m2のオフィス、1150戸の居住施設、140,000m2の研究・実験施設を収納。

SHIMIZU_OCEAN_SPIRAL

収容想定人数は居住者4,000人と来訪者1,000人の合計5,000人を見込んでいる。

また海底に向かって伸びる直径600mの螺旋状の構造物「INFRA SPIRAL」で海底の「EARTH FACTORY」と結び、人・モノ・情報を輸送。

SHIMIZU_OCEAN_SPIRAL

「INFRA SPIRAL」には海水温度差発電、養殖用の深層水の取得、海水の淡水化、深海探査艇の燃料補給基地、深海モニタリングなど深海ならではの機能を集約するという。

清水建設はこの「OCEAN SPIRAL」構想の実現に向けて、2030年までに必要技術を確立すべく、産学連携プロジェクトや企業連携プロジェクトを創出、技術革新を経て2050年頃にはこの海底未来都市が先端産業の集約拠点になることを目指している。

*参考:OCEAN SPIRAL/シミズ・ドリーム−清水建設

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