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CO2排出量削減とエネルギー自給率の向上で期待されている水素。
政府は2010年1月、地球温暖化対策における温室効果ガスの排出量低減目標を「2020年までに1990年比で25%削減、2050年までに80%削減」と決めた。
また今年の6月には「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定、2040年をターゲットにしたCO2フリー水素供給システムの確立を目指すとしている。
![03](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/03-690x211.jpg)
そこで水素が持っている特徴を幾つか紹介してみよう。
1:様々な方法で製造が可能
化石燃料、工業プロセス、バイオマス、水の電気分解などから作り出せる。
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2:常温・常圧下で貯蔵・輸送が可能
有機溶剤と反応させることで液化、利用時に再び水素ガスに変換。
3:酸素との化学反応を利用して発電
燃焼を伴わず、直接的にエネルギーの83%を電気エネルギーに変換することが可能。FCV(燃料電池車)でその特性を利用している。
![FCV_STAC](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/FCV_STAC.jpg)
4:自然発火せず素早く拡散
水素は濃度4%以上の状態で静電気程度のエネルギーが加わると着火するが、逆にその条件が重ならないと自然発火しないだけで無く、地球上で最も軽い気体のため、漏れても即座に拡散、着火してもガソリンのように燃え続ける事が無く、瞬時に鎮火する。
<水素とガソリンの燃焼比較試験> 左側が水素
![00](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/00-690x192.jpg)
<参考>
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水素=爆発のイメージを決定付けた1937年のツェッペリン社 ヒンデンブルク号爆発事故は機体の構造自体に原因が有り、飛行中に機体外皮に帯電した静電気が蓄積して放電が発生したもの。使用ガスが水素以外でも同様の爆発が発生した可能性が高いとされている。
5:水素社会の実現に向けた適用可能性が幅広い
既に実用化段階にある定置用燃料電池や燃料電池自動車だけでなく、船舶や鉄道等を含む他の輸送分野、水素発電等、我が国のエネルギー消費分野の多くに対応し得る潜在的な可能性を秘めている。
![02](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/01-690x348.jpg)
日本はエネルギー確保の面で海外の資源に大きく依存していることから、水素の利用拡大を国策として推進して行く考えで、大幅な省エネルギー、エネルギーセキュリティの向上、環境負荷低減などが期待されている。
ただ、こうした水素の利活用には技術面、コスト面、制度面、インフラ面で未だ多くの課題が存在しており、社会に広く受容されるか否かは、まさにこれからの取組にかかっている。
*参考:水素・燃料電池戦略ロードマップ、総合資源エネルギー調査会、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、マイアミ大学 Fuel Leak Simulation
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