次世代エレベーターは縦横無尽に動きビルの形状を自由にする

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2014年12月07日 08:10  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

11月27日、ドイツの鉄鋼会社ティッセンクルップ(ThyssenKrupp)が、ロープレスエレベーター「MULTI」を発表した。

なんと上下垂直方向だけでなく、水平方向にも移動できる世界初のエレベーターだ。

ロープを無くすことができたのは、マグレブ(磁気浮上)型であるためだ。これはリニアモーターカーと同様の原理となる。

そしてティッセンクルップ社は、この「MULTI」を2016年までに開発とテストを行うとしているから、実用化もそれほど遠い先のことではない。

次世代エレベーターの自由度

「MULTI」はエレベーターの箱が、磁気浮上システムによってシャフトの中を自律的に移動する仕組みでできている。

そのため、約160年の歴史を持つロープでつり下げるという制約から解放去れ、垂直のみならず水平にも移動できるようになる。

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しかも磁気浮上であるため、摩擦も減らすことができ、より高速で移動できる。もっとも、乗っている人のバランスが崩れないよう、あるいは衝撃が少ない様にするために、かなり加速性能などは制御されると思われる。

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ティッセンクルップ社によれば「MULTI」の速度は毎秒5メートル程度を想定しているようだ。

また同社によれば、「MULTI」が適している建物の規模は、中層から高層で、高さ300メートル以上あることが理想的だとしている。

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エレベーターの構造も上下の往復型とは限らず、環状型(四角いループ状)になるという。そのため、一つの環状に複数のエレベーターを稼働させれば、待ち時間はかなり短縮できることになる。

「MULTI」のさらなる特徴は、ロープやその牽引システムが不要になるため、エレベーターを動かす為に必要なスペースが最大で従来の50%まで節約できるということだ。

ビルのデザインを変えるエレベーター

「MULTI」を想定すれば、建物の設計も自由度が増すだろう。エレベーターの垂直な動線に縛られることが無くなるからだ。

また、ビル内の移動が迅速になり移動方向も拡張されるので、人々の移動効率が上がりストレスが減少するかもしれない。

ティッセンクルップ社が面白い統計を述べているが、ニューヨークの全てのオフィスワーカーが1年間でエレベーターを待っている累計時間はなんと16.6年なのだという。そして乗っている時間は5.9年分だそうだ。これを「MULTI」は劇的に減らせるとしている。

160年ほどの歴史を持つロープ牽引方式のエレベーターが、いよいよ次世代に突入しようとしている。


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*画像出典:MULTI – the world’s first rope-free elevator system | YouTube

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このニュースに関するつぶやき

  • 多分、横移動できるって言うメリットに比べて、建設費用や運用コスト・故障率の面で普及しないと思う。
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