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10年前の映画だったらCGでしかできなかったような映像でも、実写でできるものが出てきてしまった。ドローンもそのひとつだと思うが、ここに出てくるロボットも、それに近い感覚ではないだろうか。この動きはもうほとんどホラーだ。
なぜこんなカラフルな色なのだろうかと思ったが、これがガンメタリックだったりすると怖すぎる。もう動きも形も映画「マトリックス リローデッド」に出てきたセンチネルの触手だ。
これは、水道管の点検をするためのロボットである。分岐する水道管にするりと入っていき、パイプの劣化を検出するのだ。そのためにこのような形状と動きになっているのである。
この水道管検査技術を開発したのは従業員5人というノルウェーの小さな会社だ。しかし、すぐれた超音波検査技術によって、国内外の自治体や研究センターなどと関わる仕事をしている。その会社が、研究者であるDet Norske Veritas氏と一緒に開発したのが、魚雷のように水中を動く水道管検査ロボットだ。
このロボットはプロペラで動き、水道や地域暖房システムのパイプの中を移動することができる。そして64の超音波送受信機を持ち、水道管の厚さを測定し、腐食の度合いを判定するためのデータどりをすることができる。
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水道を止めることなくパイプ検査ができる
この会社は昨年、TRACTと呼ばれるEUのプロジェクトに統合された。EUはこのロボット技術を使って、分岐管を含むさまざまなパイプの検査ロボットを開発しようと考えている。そうすれば、水を止めることなく水道管の検査ができる。
![Pipe_Robot01](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/Pipe_Robot01-690x431.jpg)
これまでの検査機はかなり大がかりなものしかなく、しかも車輪かベルトを使って移動するので、水道管の内側のサビなどを水道水に混入させてしまうというデメリットもあった。
しかし、このロボットなら小型で、内径10cmのパイプの中を、150mも奥まで送りこむことができるという。しかも90度の分岐も曲がっていくことができる。またサビが水道水に混入することを極力避けられるように、移動にはプロペラを使うことで、水道管内壁との接触も最低限に抑えているという。
まだ検査の技術などに課題はあるそうだが、ノルウェーでは飲料の水道水のロスのうち、パイプの劣化が原因によるものが30%から40%にのぼるということなので、開発が急がれる。
それにしても、この動き、未知の恐ろしい生物のようだ。もっとも一般のひとが水道を使っているときに、コイツがニュッと現れる心配はなさそうなので安心していい。
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それでは、下の動画でその動きをごらんになっていただきたい。