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日本国内ではあまり表面化していないが、水資源の不足というのは世界的に深刻な課題のひとつだ。国土交通省のウェブサイトの記述によれば、現在43ヵ国の約7億人ものひとびとが水ストレス(水需給が逼迫している状態)下にあるという。
そして今後の世界人口の増加とそれに伴う生産活動の発展、生活様式の変化等により、将来はさらに水不足の問題が深刻化すると予想されている。
そんな水不足の問題と戦うために開発された浄水機がこのDesolenatorだ。クラウドファンディングのサイトINDIEGOGOで資金を募集している。ソーラーパネルを使って発電することができ、海水、不純物の多い水、汚染された水など、さまざまな水を浄化して、飲料水にすることができるという。
大きめの薄型テレビのような本体は頑丈に作られていて、キャスターを備えているため移動するのも容易だ。低価格にするため、逆浸透膜は使っていない。イニシャルコストが高く、メンテナンスも必要で、フィルター交換などのコストもかかるからだ。
開発者によれば、Desolenatorは市販されている装置のなかで、もっとも安価に水を浄化できるシステムだということだ。また内部に動く機構を持たないので耐久性も高い。これで約20年間飲料水を提供できるという。
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![Desolenator02](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/Desolenator02.jpg)
太陽光発電だけでなく、熱も活用する
この装置が太陽エネルギーを効率よく使うために採用した機構がユニークだ。このDesolenatorは、太陽光をただ発電のために使うわけではない。表面は二重のガラスにして、水を通せるようにし太陽熱も水を温めるのに活用するのだ。その上でソーラーパネルによって作られた電力で水を沸騰させ、蒸留する。
こうすればソーラーパネルで発電した電力だけを使うよりも、ずっと効率よく太陽のエネルギーを使うことができる。
![Desolenator03](http://nge.jp/wp-content/uploads/2014/12/Desolenator03-690x454.jpg)
これを使えば、大きな設備投資を必要とせずに、小さなコミュニティや家族が飲み水を確保できる。もちろんこの装置を必要としているのはおもに発展途上国であり、そのためできるかぎり安価に、そしてメンテナンスも容易に、既存の送電網などに頼らずに作る必要があったのだ。
水資源の不足は今後より重要になってくる問題だろう。いっぽうでこの太陽光と太陽熱をともに活用するというシステムはユニークだ。単なる太陽光発電、単なる太陽熱利用だけでない複合的な手法として、ほかにも活躍する場があるかもしれない。
*参照および画像出典:INDIEGOGO -Desolenator: transforming sunshine into water-、国土交通省、BBC
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