デジタルカメラのバッテリーが切れたらどうする? 当然、充電をする。
しかし、大急ぎで撮影を続けたい人はどうするのか? 「予備のバッテリーを用意しておき、交換して撮影を続ける」と答える人が多いだろう。時間がたっぷりある人は充電すればいい。急いでいる人は、ちょっと費用がかかるけれど、交換用バッテリーを用意する。デジタルカメラではユーザーに選択肢が用意されているのだ。
それと同じようにEV(電気自動車)にも選択肢を与えようというのが、アメリカのEV(電気自動車)メーカーであるテスラモーターズだ。テスラモーターズは、2014年12月下旬より、テスラのセダンであるモデルSの一部オーナーを対象にバッテリーパック交換プログラムの試験運用を開始すると発表した。
試験運用は、カリフォルニア州ハリスランチにあるテスラの充電施設「スーパーチャージャー・ステーション」の向かいの特設施設で行われる。最初は有料の予約制。費用は、プレミアムセダンのガソリン満タンよりも、少しだけ安くなるとか。
交換にかかる時間は約3分(安全性を高めたため、以前に発表したタイムより、時間が伸びている)。しかし、テスラモーターズは将来的に1分以下で交換できるようにしたいという。ちなみに、「スーパーチャージャー・ステーション」では、約1時間で航続距離640km分が充電できる。
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つまり、ユーザーは、デジタルカメラ同様に、「時間(バッテリー交換すれば時間が節約できる)」か「費用(普通に充電する方がリーズナブル)」を選べるというわけだ。
この試験運用では技術のテストと、どれだけの需要が存在するかを見る。需要が認められて、技術的な問題がなければ、広く普及させるかどうか真剣に検討されるという。テスラモーターズの次なる動きに注目したい。