2014年「クルマ業界」の主役は何だったのか

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2014年12月29日 12:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

2014年を振り返ったとき、真っ先に脳裏に浮かぶのは、クリーンディーゼル・エンジンを載せて日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したマツダ・デミオだ。

また、11月にトヨタ・ミライとホンダのFCVコンセプトという燃料電池車も大いに話題となった。そして、BMWの電気自動車i3が、春に発売を開始。フォルクスワーゲンもe-up!とe-GOLFの日本発売を発表。2014年は、いわゆる次世代カーが大きな話題を集めた年という印象が強い。

実際に、登録車の販売ランキングの上位は、トヨタ・アクアやトヨタ・プリウスといったハイブリッドカーが占める。それらと上位を争うホンダ・フィットもハイブリッドが人気グレードだ。

日本国内において、ハイブリッドやEV、クリーン・ディーゼルなどは、それほど珍しい存在ではなくなってきた。そういう意味で次の時代を感じさせる、クリーン・ディーゼルを搭載するデミオは、今年の主役の一人と言っていいだろう。

一方で現実の販売状況を振り返ると、また違ったものが見えてくる。2014年1〜11月の国内の新車登録台数(日本自動車販売協会連合会調べ)は3,058,139台。軽自動車(全国軽自動車協会連合会調べ)は2,072,700台。つまり、新車で販売されるクルマのうち、約4割が軽自動車になっている。

車名別の販売ランキングを調べると1位がダイハツ・タント(21万7,378台)、2位トヨタ・アクア(21万6,895台)、3位ホンダ・フィット(19万4,066台)、4位トヨタ・プリウス(17万3,027台)、5位ホンダ・N-BOX(16万5,450台)、6位日産・デイズ(15万8,670台)というもの。

Cセグメントカーに属するプリウスがランクインしているものの、他はコンパクトカーと軽自動車だ。すっかり日本マーケットのトレンドは小さいクルマに向かっている。

特に軽自動車は毎年のように販売台数を伸ばしてきた。維持費が安いというコストコンシャスさが人気の最大の理由だが、ここ数年の伸長は別の理由がある。それはメーカーの努力だ。

軽自動車躍進のワケ

現在、販売されている軽自動車を眺めてみると、定められたサイズとエンジンという縛りの中、驚くほど多彩なクルマが揃っていることに気づく。

子育てファミリーの使い勝手に特化したタントを筆頭に、室内空間の広さを追求するN-BOXやダイハツ・ウェイク。スペシャリティの雰囲気も漂わすホンダ・N-ONE。オープンスポーツのダイハツ・コペン。ハイブリッドにも匹敵する燃費性能を達成したスズキ・アルト。万能選手といえばスズキ・ワゴンRとダイハツ・ムーヴ、ホンダ・N-WGNがある。スズキ・ハスラーはクロスオーバー風の雰囲気でヒットを飛ばした。

価格の安さだけではない、「だからこのクルマを選ぶ!」という強い個性を備えたクルマが数多い。そうした充実した品揃えがあるからこそ、軽自動車全体の販売が伸びているのだろう。そういう意味では、今年の主役は、百花繚乱の軽自動車としてもいい。

また、2015年は4月に軽自動車の自動車税増税(1.5倍)、10月に消費税の10%増税が控えている。経済的に厳しい年になりそうだ。そんな状況になればなるほど、人の目は軽自動車に向くことになり、そして発見するだろう。「あっ、軽自動車は意外と楽しそうだ」と。

2015年もクルマ業界は、引き続き個性豊かな軽自動車が牽引していくのではないだろうか。

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このニュースに関するつぶやき

  • 今年は7台目にして初めて軽自動車を購入した。でもそこには何のためらいも感じなかった。初めから高い車で粋がる性癖は無いけど。何か、おもちゃみたいで凄く楽しいんだよね。少年時代に戻ったみたいでさ。
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