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2014年はドローン界隈にとって非常に騒がしい年だったといえよう。マルチコプターの低価格化が進み、誰でも手軽に空撮を楽しめるようになった。しかし同時に様々な社会問題を引き起こしている。そんな2014年を振り返ってみよう。
OK Goのミュージックビデオ
全日本を震撼させたのがOK Goのミュージックビデオ。1カメラ1カットで構成されたミュージックビデオの撮影の立役者はドローン。最初台車の上に搭載され、室外に出てから浮上、ラストでは一気に800m上空まで浮上、雲の上まで出てぐるりと東京の美しい光景を収めている。
冒頭には Perfumeのカメオ出演、新時代のモビリティを予感させる Honda UNI-CABを全編で使うなど話題に事欠かない。もし未見の方はぜひこの機会に見て欲しい1本だ(参考:I Won’t Let You Down/OK GoのMV撮影の裏側 )。
空撮マルチコプターの普及
空撮マルチコプターの代名詞的存在となったのはDJI Phantom2。従来のPhantomからバージョンアップ、GoProを3軸ジンバルで搭載することで誰でも簡単に高画質な空撮映像をとることができるようになった功績は大きい。
さらにFPV(First Person View)を手持ちのスマホを組み合わせて実現する Vision+では手元のスマホの画面をみながら操作することで、さらに空撮の可能性を広げる。
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このPhantom2は7万円からと高性能の割にはお手頃価格、リュックに背負って移動も可能なサイズなために、山の上や海外旅行先など、様々な場所で撮影できるのも利点だ(参考:DJI 公式サイト )。
国内マルチコプター事故多発
マルチコプターの普及にともない、様々な問題を引き起こしている。そのひとつが墜落、事故だ。
名古屋の繁華街で DJI Phantom2を飛行、その後ノーコン(制御不能)に陥り墜落した映像をYouTubeにアップした業者はそのモラルの低さによりネット上で炎上。TVや新聞といったメディアでもとりあげられ、最終的には航空法で罰せられた。
この墜落は人身事故ではなかったが、湘南国際マラソンでは空撮していた業者のマルチコプターがおなじく制御不能となり墜落、スタッフ1名が怪我をするという人身事故を起こしている。数千人があつまるイベントだっただけに、落ちる場所がすこしずれていたらもっと大きな事故になっていた可能性もあり、事故防止、安全対策の強化が求められている(参考:Yahoo!ニュース – 空撮用の無線操縦ヘリ落下 湘南国際マラソン会場、スタッフ1人けが (カナロコ by 神奈川新聞))。
全日本クワッドコプター選手権
マルチコプターといえども無線操縦のひとつ。テクノロジーが進化してホバリングが誰でも簡単にできるとはいえ、突風やGPSのロストなど突発的な事態が起きたときには操縦者の技量が必要だ。エンガジェットフェスでは日本ではじめて全日本クワッドコプター選手権を主催、クワッドコプターを用いた操作技術を競い、趣味でクワッドコプターを楽しむ一般ユーザーから空撮専門家まで参加者が集まった。
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第2回目では主催側が設定した難関を軽々とクリアし、さらにアドリブで宙返りを決めるなど操縦者の技量が光った。マルチコプターが安価となり一般ユーザーが購買しやすくなったが、ラジコンである以上墜落するものである。無理な空撮をする前に技量を磨くことをお勧めしたい(参考:第2回全日本クアッドコプター選手権の開催概要、今回はドローンのタッチ&トライも #egfes – Engadget Japanese)。
アメリカの動き
ドローンで先を行っているのははやりアメリカである。Amazonが配達にドローンを利用しようと計画したことでドローン業界は俄かに活気づいた。一方でFAA(アメリカ連邦航空局)はドローンと旅客機がニアミスする、ドローンを使った盗撮といった頻発するトラブルに対して法的規制を強化するなど早急に対応している。
FAAはドローンの急速な普及に懸念を抱いており、Amazonのドローンテストもなかなか認可がおりない状況だ。日本もFAAの後追いで規制強化の方向である(参考:アマゾン、ドローン屋外試験飛行の早急な認可をFAAに要請–米国外拠点の利用にも言及 – CNET Japan)。
手軽に空撮ができる時代となったが、ルールとマナーを守って空中散歩を楽しみたいものである。2015年もドローン界隈の動きから目が離せない。
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