1月6日〜9日にかけてラスベガスで行われている世界最大級の家電見本市『CES2015』では、それぞれの分野で注目すべき製品を集めた『CES Innovation Awards』が同時に開催されている。
今回ご紹介する『Visijax』は、そのなかの『Wearable Technologies』部門を受賞した18の製品の一つ。どんな製品で、そしてなぜ受賞したのかを考えてみたい。
体の動きに連動しLEDが点灯するサイクリング用ジャケット
『Visijax』は、腰や胸、腕に合計23個のLEDを装備したサイクリスト向けウェアラブルジャケット。ユーザーの動きに合わせ、内蔵されたモーションセンサーが反応し点滅する。
非常にシンプルだが、単に反射テープをつけただけのジャケットよりも歩行者やドライバーに対するアピールが強く、事故が起こる確率を下げてくれると期待されている。
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充電はUSBにて行い、約30時間使用可能だそう。防水仕様できちんと電源のON・OFFも可能なので、一般的な使用であれば1週間から10日は余裕で持ちそうだ。
サイズもXSからXXLまで用意されており、価格は99ドルからとウェアラブル仕様のスポーツウェアにしてはリーズナブル。
国内の事故件数の5回に1回は自転車が絡んでいる
部門賞を受賞したのは、製品自体の完成度だけではないだろう。少々古いデータだが、交通局が発表した平成25年の『交通事故統計』によると、自転車による事故件数は全体の2割、約5回に1回は自転車が関係した事故なのだそうだ。
自転車乗用中の死者数は昼夜ともにトップ3に入る。
年々減少傾向にあるものの、ここ数年のエコブームやガソリン代の値上がりで、この先どうなるかちょっと予想がつかない。
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これは国内に限った話ではなく、世界的課題であるエネルギー問題や人口の増加により、サイクリストが増えてもおかしな話ではないだろう。現に都心部や地方都市では“自転車専用レーン”の増設も目立つようになった。
さらに最近では、シンプルさやスリル、テクニックを求めたサイクリストの間でノーブレーキピスト(ブレーキがなく、ペダル操作で減速する自転車)ユーザーも増えているのだという。こうした流れを考慮すると、今回の『Visijax』のような事故防止を目的としたプロダクトが注目されたというのも納得がゆく。
今回は安全面から『Visijax』が部門賞を受賞した要因を考えてみたが、その完成度や価格をみると、ランナーや夜間の作業にもぴったりなのではないだろうか。公式サイトによると、Amazonでも販売予定とのこと。今後はこういったLED付きのウェアが増えるのかもしれない。