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1月6日から9日にアメリカ・ラスベガスで開催された家電市『CES2015(2015 International CES)』で、台湾のgogoro社が各種分析機能を持つ電動スクーター『Smartscooter』と、そのバッテリー交換用インフラである『Go Station』を発表した。
新しいスクーターのあり方を提案しようという試みだ。
自己を最適化するスクーター
『Smartscooter』は自分自身を監視するために55個のセンサーを備えている。例えば、ライダーの走行パターンを解析して、自動的に最適なトルクやパワーに調整し、走りのパフォーマンスを向上させようとするのだ。
また、自己診断機能によって、修理やメンテナンスが必要になれば、その診断結果をスマートフォンのアプリを通して表示して知らせる。
バッテリーは2基搭載しており、満充電されていれば約160kmの走行が可能だ。最大速度は時速95kmで、停止状態から時速50kmまで僅か4.2秒という加速性能がある。
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また、常にスマートフォンを経由してクラウドサービスに接続されており、『Smartscooter』の状態が追跡されている。
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バッテリーを充電するのではなく交換するという発想
『Smartscooter』のユニークな点は、バッテリーの補充方法にもある。
充電が必要になると、自宅で長時間かけて充電するのではなく、『GoStations』と名付けられたインフラで、充電済みのバッテリーと交換すれば良いという発想だ。バッテリーにはパナソニック製のリチウムイオンバッテリーセルが採用されている。
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『Smartscooter』のバッテリー交換が必要な状態になると、スマートフォンで近くの『GoStations』を探すことができる。
利用者は『GoStations』の空いているスロットに、自分の『Smartscooter』から取り出したバッテリーセルを挿入する。
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すると、6秒後には既に満充電状態の別のバッテリーセルが取り出せる状態にせり出してくる。この仕組みであれば、利用者が充電のための待ち時間を費やす必要がない。
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つまり、『Smartscooter』の利用者はバッテリーを所有せずに、常に充電された状態のバッテリーをレンタルしているという利用方法になる。
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圧倒的な低コストで設置できる点がメリット
現在注目されているFCV(燃料電池車)の水素充填時間も、かなり短縮されてきたが約3分はかかる。もっとも、長距離(500〜800km)の航続距離を持つFCVと、約160km程度の航続距離の『Smartscooter』との比較は困難だ。
しかし、設置に数億円かかる水素ステーションに比べて、『GoStations』は220Vの電力が得られるスペースであれば、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアの一角にでも圧倒的な低コストで設置できる。つまり、インフラの設置コストといった面から比べれば、『GoStations』が断然有利なのだ。
実際、この考え方は急速充電でも15〜30分はかかってしまうEV(電気自動車)でも検討されており、例えばルノー・日産アライアンスと米国ベタープレイス社が組み、バッテリー交換所を利用する方式を計画している。
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しかし、水素ステーションは自動車業界全体がグローバルな展開として推進しているインフラであるのに対し、『GoStations』は一スタートアップ企業がローカルで提案しているインフラであるから、これも比較することは難しい。
『Smartscooter』は、クラウドから様々なサービスを受けながら利用できる電動スクーターという点と、バッテリーを所有せずに、常に満充電された状態をレンタルするという点がユニークで新しい。
専用インフラを設置しなければ『Smartscooter』を普及できないという、ビジネス上の課題が大きく立ちはだかるが、電動スクーターの新しい利用方法を提案しているという点では評価されるのではないだろうか。