エネルギーと食料の自給自足を見据える「あわじ環境未来島構想」

0

2015年01月12日 17:30  FUTURUS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

瀬戸内海東部に位置する淡路島。近年、『あわじ環境未来島構想』と題し、エネルギーや食料の自給率を高めながら、環境に配慮した持続可能な島づくりを進めている。

少子高齢化やエネルギーと食料の自給率の向上など、日本が抱える課題を解決する先進的なモデル事業として、国が指定する『地域活性化総合特区』の指定を2011年12月に受けた。

エネルギー、農と食、暮らしの3つのアプローチ

『あわじ環境未来島構想』は、“エネルギーの持続”、“農と食の持続”、“暮らしの持続”の3つが取り組みの柱だ。

エネルギー分野では、大規模太陽光発電事業や電気自動車導入を推進している。

豊富な日照量を生かした太陽光発電事業では、民間事業者が島内の大規模な未利用地を活用した発電所を建設中。現在計画中の太陽光発電所が全て稼働すれば、発電出力約110MW(メガワット)が見込まれるという。

さらに、淡路市岩屋沖で潮流発電の実用化実証や、分散型エネルギーインフラ整備の計画も進めている。まさに地域資源を最大限に生かした取り組みといえるだろう。

電気自動車導入に関しては、購入補助および電気自動車用充電器の設置を推進している。これにより、県内初となるEV導入モデル地域『EVアイランドあわじ』を目指す。

Åŵ¤¼«Æ°¼ÖÍѽ¼ÅÅ´ï¤ÎÀßÃÖ

2014年11月末時点で、電気自動車の購入補助実績は180台を超えており、2020年度までに島内の新車販売台数の20%=700台のEV化を目標としている。

島内で頻繁に電気自動車を見かける状況もそう遠くない未来に実現するのではないだろうか。

農と食の分野では、パソナグループが開設した農業分野での起業を目指す人材育成事業『パソナチャレンジファーム』が行われており、就農や地元定着に向けた農地の斡旋や就農支援などを行っている。

食料生産だけではなく、それを支える人材育成も食料自給率向上には欠かせない取り組みだ。

¿Íºà°éÀ®»ö¶È¡Ø¥Ñ¥½¥Ê¥Á¥ã¥ì¥ó¥¸¥Õ¥¡¡¼¥à¡Ù

また、2015年3月には『南あわじ市あわじ島まるごと食の拠点施設』が開設予定。淡路島の豊富な食材を味わったり買ったりできる施設になるという。

Æ¤ï¤¸»Ô¤¢¤ï¤¸Åç¤Þ¤ë¤´¤È¿©¤ÎµòÅÀ»ÜÀß

暮らしの分野では、住民グループやNPO、企業などと市が協働し、『あわじ環境未来島構想』に沿って実施する先導的・モデル的な取り組みを県と市がサポートする事業がある。

例えば、南あわじ市沼島地区では、空き家を改修した『総合観光案内所 よしじん』を地域の観光拠点として活用し、観光客の誘致強化を行っている。

Áí¹ç´Ñ¸÷°ÆÆâ½ê ¤è¤·¤¸¤ó

自給率を高め、生活の質を重視した持続可能モデルを

淡路島の住民からは「いろいろな団体が多くの取り組みを行っていて驚いた」という声や、「地元と行政がもっと連携していけるといい」などといった声が上がっており、関心が高まっているという。

それぞれの分野では、2050年までの長期数値目標を掲げている。エネルギー(電力)自給率は100%、生産額ベースの食料自給率は300%以上など、まさに“自給自足”の地域モデルだ。

大都市的な成長モデルから“むら”への未来モデルづくりに視点を変え、生活の質を重視した持続可能モデルを目指す。

地球の資源はいうまでもなく有限だ。大量生産・大量消費の都市型の成長モデルは持続不可能である。それぞれの地域資源や特色を生かしながら、地域単位で食やエネルギーの自給を目指すことは、これからの地域づくりの要となるだろう。

このような取り組みが全国に広がっていくことを期待したい。

    ランキングトレンド

    前日のランキングへ

    ニュース設定