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インフルエンザは、呼吸器疾患や糖尿病の合併などがない場合には、基本的には4〜5日程度で解熱し、自然治癒する疾患です。しかし、近年はタミフルなどの抗インフルエンザ薬が登場し、また、インフルエンザ迅速検査キットの出現で、インフルエンザの流行期に少しでも発熱すると発症を恐れて医療機関に来院する傾向が増えてきたように感じます。
では、本当にインフルエンザにタミフルなどの抗インフルエンザ薬の投与は必須なのでしょうか?先にも述べたように、インフルエンザはウイルス感染症であり、現段階でインフルエンザウイルスを駆除する薬剤は存在しないため、自身の免疫力や抵抗力で改善させる疾患なのです。
タミフルなどの抗インフルエンザ薬は、あくまでもインフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果のある薬剤であり、薬剤投与によってインフルエンザによる症状の増悪を緩和する薬剤と考えた方が良いと思います。
実際に10代の患者において、因果関係は不明であるもののタミフルの服用後に異常行動が発現していることなどが報告されており、原則的に本薬剤の投与は差し控えることとなっています。ただ、他の抗インフルエンザ薬はその限りではありませんので、タミフル以外の薬剤を投与することは行われています。
数年前の新型インフルエンザの流行以降、インフルエンザに対して以前よりも学校や職場などがかなり神経質になっていると思われる節もないではありません。例えば、登校後に少し具合が悪くなり37度程度の発熱があると、明らかなインフルエンザによる全身症状がなくとも、すぐに保護者に連絡が入り、インフルエンザか否かを調べるような指導が入ることも時折見られます。
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学校側の対応としては決して間違っているわけではないのですが、その時点でインフルエンザの検査をしても陽性に出る可能性は極めて低いと考えられますし、あまり必要性のない検査を無駄にすることにもなりかねません。
タミフルのような抗インフルエンザ薬が出て、さらにインフルエンザを迅速検査ができる現在においては、検査によりインフルエンザと診断された患者に対してタミフルなどを処方することは自然のことかもしれません。
ただ、それによる副作用などが起こる可能性は否定できませんし、あくまでも症状を緩和する薬剤であることなどを考えると、流行前にきちんとワクチンを接種し、インフルエンザにからないように体調管理を十分に行うことが最も大切なのかもしれません。
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