インターネットという社会においては、オンライン上で名も国籍も前歴もわからない者同士が繋がり、そして離れていく。そして烏合の衆であろうが、数が集まればレギオンとしての力が生まれる。
“名前のない”集団、アノニマスはその方程式を具現化し続けている。
彼らのコアとなるメンバーは無記名掲示板やIRC(Internet Relay Chat)、その他さまざまなツール・サービスでコミュニケーションを行い、数千人とも数万人ともいわれる賛同者たちにハックティビズムの提案を行い、行動を促している。ここでは実際に起きた5つ+αの例を紹介する。
1:2008年・新興宗教サイエントロジーへの抗議
アノニマス発祥の地とされる『4chan.org』において、精神医学を否定しているサイエントロジーへの批判が高まり、抗議運動へと繋がった。
当時の活動内容はサイエントロジー公式サイトへのDDoS攻撃および、Faxやメール、電話でのいたずらを経て、街頭デモへとシフトしていった。
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2:2010〜2011年・オペレーションチュニジア
アラブの春と呼ばれる革命運動への支援、特にチュニジアで起きたジャスミン革命の支援として、エジプト政府サイトやチュニジア政府サイトなどを対象としたサイバー攻撃を行う。
実のところウィキリークスの検閲を行ったチュニジア政府だけではなく、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、VISA、マスターカード、ペイパルなども攻撃対象だった。
3:2012年・オペレーションジャパン
昨日は忙しいだった。でもちょっとミスしました。誤爆ごめんな(笑) やっぱり日本語は難しい。でもみんなは優しい。ミスの説明を言いました。 ありがとう。頑張ります。
– OpJapan Official(@op_japan) 2012, 6月 27
2012年6月20日に可決した違法ダウンロードの刑事罰化に対して、財務省、最高裁判所、民主党、自民党などのサイトへのサイバー攻撃を行った。
何故か国土交通省霞ヶ浦河川事務所のサイトも攻撃されたが、これは彼らが霞ヶ関と霞ヶ浦を間違えたため。
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4:2012年・日本での掃除活動を行う
アノニマスは純粋なハッカー集団ではない。なかには合法的な活動を好む賛同者もいる。
その活動の1つが、渋谷で行われた掃除活動だ。トレードマークでもある『ガイ・フォークス』のマスクをつけたアノニマスたちが無言でゴミを拾い、違法ダウンロードの刑事罰化への抗議を行った。
5:2014年・オペレーションホンコン
香港民主化デモを支援すべく、中国政府の公式サイトに対してサイバー攻撃を実施。サーバーダウンを引き起こしたほか、4万件の個人情報を流出させた。
α:2013年・オペレーショングローバルブラックアウト
コアメンバーが提案しただけではアノニマスという群にはならない。
その代表例が2013年のオペレーショングローバルブラックアウトだ。アメリカのインターネット検閲法案SOPAに抗議する目的で全世界のインターネットをすべて停止させるという趣旨だったが、賛同者が集まらずに実行されなかった。
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いかがだったろうか? 今もアノニマスはオンライン上でハックティビズムの提案を行い、行動を促している。