心血管疾患や糖尿病のリスク低減には、低GI食より健康的な食事が大切?

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2015年01月27日 12:10  QLife(キューライフ)

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近年注目を集める「低GI食」の効果って?

 食後血糖値の上昇度を示す食品のGI (グリセミック・インデックス)値は、数値の高い食品ほど血糖値を上げやすいとされています。このGI値の低い食品を中心に食べる「低GI食」は低インシュリンダイエットともいわれ、その効果が話題になっています。

 低GI食は、たとえばGI値の高い白米よりGI値の低い玄米、ポテトより大根や葉もの野菜を選んで食べることで血糖値の上昇を緩やかにし、心血管疾患などの生活習慣病予防や治療に効果的だといわれています。しかし、米国国立衛生研究所の出資した研究によると、低GI食は血圧の低下、血中コレステロール値の改善、インスリン感受性の向上につながらないことが明らかとなりました。つまり心血管疾患と糖尿病のリスク低減には関わりがないという結果が出たのです。

ポテトが入った高GI食と低GI食、血圧などに変化なし

 この研究はジョンズ・ホプキンス病院およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究グループが、体重過多で高血圧の成人163人を対象に行ったもの。高血圧を防ぐとされるDASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)に従い、GI値と炭水化物量が異なる4つの食事療法を行い、心臓の代謝効果を分析しました。

 特に避けるべき高GI食品とされることの多いポテトですが、今回の研究では低GI食と高GI食のどちらにも使用されています。5週間の食事療法の終了後、高GI食と低GI食それぞれを摂取した参加者を比べても、血圧やインスリン感受性、血中脂質レベルに大きな改善はみられなかったといいます。

 この研究結果を受け、米国ポテト協会は「健康に良い食事においては、GI値はあまり関係ないことがわかりました。インスリン感受性、HDL/LDLコレステロール値、収縮期血圧の改善という点で、低GI食は高GI食よりも効果があるわけではありませんでした」とコメントしています。

 さらにポテトは中サイズ1個でわずか110キロカロリー、バナナ1本よりもカリウムが豊富でビタミンCも1日の摂取量の半分を補え、脂肪やコレステロールを含まない健康食品であるため、健康的な生活に有益としています。栄養の宝庫であるポテト、その人気はさらに高まりそうです。(笹田久美子)

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