無線センサーの小型化と高性能化は、ドローンやウェアラブル端末といったテックガジェットだけでなく、生活により近いモノを進化させる。
先日、エレクトロニクス業界の巨人、ゼネラルエレクトロニック(以下:GE)はホームキッチン市場、つまり台所に目を付けた製品群を発表した。
ワイヤレスクッキングの時代が見えてきた
このクリップ型のクッキングツールは、鍋の側面にぴったりとフィットする温度計で鍋の温度を計測する。
そして新しいクッキングヒーターである『Profile, Cafe and Monogram』システムとBluetoothによってワイヤレスで接続しながら、アプリと通じてスマートフォンやタブレットで温度管理ができるという仕組みだ。
これによって、キッチンから離れていても料理のコントロールが可能になることが推測される。アプリによるコントロールの詳細仕様はまだ発表されていないが、入浴やリビングでの読書中でも遠隔で料理ができるようになるかもしれない。
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クッキングヒーターは独特のデザインをしている。
スマートフォンのユーザーインターフェースに慣れると、“ひねる”や“押す”といった動作が煩わしく感じることもあるだろう。
そこでGEはスマートフォン的な直感的インターフェースのコンロを開発したのである。まるで近未来のキッチンのように、タッチやスワイプといった動作で火加減を操ることができる。コンロと入力モジュールが一体化することによって、台所がよりスマートな外観に見えることであろう。
市場への投入は2015年5月を予定しており、機能に応じて1,500ドルから3,100ドルを予定しているそうだ。もし台所のリフォームを考えているのであれば、オプション追加の検討には魅力的な価格といえるかもしれない。
巨人を加速させる開発プロジェクト
今回このキッチンシステムを開発したのは、GEの『FirstBuild』プロジェクトだ。このプロジェクトは集合知型のコミュニティプロジェクトであり、GEの既存製品のリデザインや商品開発にあたってのプロトタイプの開発やデザインをする。
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アメリカ・ケンタッキー州のルイビル大学内に施設を構えており、3Dプリンターやキッチン、プレゼンテーションルームを備える。
もちろん学生の利用も可能だ。学生からすると製品開発のプロセスを体感できる場として機能するし、GEからすると、斬新なアイデアを集約し製品開発のスピードを上げることができる。
巨人が巨人であるために、常にイノベーションというエネルギーが必要となる。競合他社に開発スピードの遅れをとるわけにはいかないし、『GoPro』のような特定分野に特化したスタートアップにシェアを奪われるわけにもいかない。
今回のプロジェクトのアウトプットから、そんな意気込みが伝わってくるのを読み取ることができるだろう。