ロケット打ち上げなど、宇宙開発が国家レベルでの取り組みであったのは過去の話。現在は民間企業もしくは個人が宇宙開発に向けて、技術力を競う時代になっている。
それを象徴するのが、民間によるロボット月面探査コンテスト『Google Lunar XPRIZE』だ。このコンテストは、
1:宇宙空間に出る、2:月へ行く、3:月に着陸する、 4:月面を500m以上走行する、5:月面からHD画質の動画・静止画を送信する
という5つの項目を実現したチームに優勝賞金2,000万ドル、総額3,000万ドルを贈るというもの。最終締め切りは2016年とされているが、先日中間賞である『マイルストーン賞』が発表された。これは実際に月面に探査機を飛ばす前に、それぞれの項目で優秀な実証結果を出したチームに賞金が与えられる。
日本チームハクトに賞金6,000万円!
3部門それぞれ3チームずつ選出されたが、そのなかの『Mobility(移動性)』部門で、日本の民間企業であるハクトが受賞した。賞金は50万ドル(約6,000万円)だ。
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ハクトは、小惑星探査機『はやぶさ』の開発に携わった東北大学大学院教授の吉田和哉氏やベンチャー企業経営者などが参加。『Google Lunar XPRIZE』に参加している唯一の日本チームである。
その開発状況は公式ページで公開されている。すでに何台もの月面ローバーを開発。実証実験を繰り返しており、その開発力と技術力は世界有数のチームだ。
今回中間賞を受賞したのは『Moonraker』という月面探査ローバー。過去のプロトタイプ機から収集したデータを反映させた、限りなく本番機に近いモデルということだ。動画で動いている姿を見ることができるが、これが月面を走っている姿を想像すると、胸が熱くなる。
民間による宇宙開発の障害は“資金”
民間チームによる宇宙開発で一番問題になるのは、やはり資金面だ。このようなコンテストによる賞金は、開発にかなりの力となることだろう。
『Google Lunar XPRIZE』の最終締め切りは2016年12月31日となっている。今回5チームがマイルストーン賞を受賞したが、コンテストには合計18チームが参加している。
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今回のマイルストーン賞はあくまでも中間賞。最終締め切りに向けて全18チームは全力を出して開発を進めていくことだろう。
いったい、どのチームが優勝するのだろうか。残り2年弱。ハクトにはもちろん、他のチームにもがんばっていただきたい。