帝人株式会社と関西大学システム理工学部の田實佳郎教授は、動きを生地でデータ化するウエアラブルセンサー『圧電ファブリック』を共同開発した。
このセンサーは将来どのような活躍が期待されているのだろうか？ 詳しい仕組みとともに紹介しよう。
『圧電ファブリック』で3次元方向を感知
この『圧電ファブリック』は、圧電体にポリ乳酸繊維を、電極に炭素繊維を使用することにより、センサーなどへの応用を可能とした生地。そのポリ乳酸繊維によって発生する電荷を炭素繊維を経由して検出するというもの。
このテクノロジーに、帝人のポリマーコントロール技術やテキスタイル技術を加えることによって、コンピューターに繊細な動きのデータを送信することが可能となった。
『圧電ファブリック』の種類は平織、綾織、サテンの3タイプが開発されており、サテンは“ねじり”、綾織は“曲げ”と“ねじり”に加え、“ずり”や3次元方向を感知することができる。
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以上のことから、この技術で作られた衣服などを着用すれば、様々な動きのデータを集めることができるという仕組みになっている。
伝統工芸などの職人技の可視化も可能
『圧電ファブリック』はモーションキャプチャーような、特定の人物の動きを取得することに役立つだろう。
その場合、動きを感知するための大規模なセットや、動きを妨げるようなモーションセンサーが必要なくなり、データをより簡単に所得することができる。
データを取得したのち、他のデバイスへのデータ出力が可能となれば、手術など医療での遠隔操作や、伝統工芸などの職人技を可視化し、教則として保存することもできる。さらに、危険な地域や宇宙開発における船外活動など、幅広いシチュエーションでの応用も期待される。
今後、関西大学と帝人は織り・編みによる最適なファブリックの設計に取り組み、｢これまで不可能だった“着用するだけで精緻な動きのデータ化”の実現を目指す｣と明言している。
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今後はさらに連携を強めていくようなので、プロジェクトの加速、実現を大いに期待したい。
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