これまで難しかったロボットとの「自然な対話感」
(画像はプレスリリースより)「ロボット」というとどのようなものを思い浮かべますか。これまでのロボットはどこか無機質で、人に限りなく似せた表情があるものでも、なんだか怖いイメージを抱いてしまうものが多くありました(これは不気味の谷現象とも呼ばれています)。
また、近年の音声認識技術の発展により、人間と音声言語でやり取りをする機能を持つロボットも開発されていますが、人間が人間と対話している時に感じる「自然な対話感」(対話に参加しているという感覚)と同等の感覚をロボットに持たせることは、容易ではありませんでした。
同意を求める「社会的振る舞い」ができるロボット
そこで科学技術振興機構と大阪大学はヴイストン株式会社と共同で、社会的対話ロボット「CommU(コミュー):Communication Unity」と「Sota(ソータ):Social Talker」を開発しました。CommUとSotaは、ロボットが人間に向かって話しているのか、ロボットに向かって話しているかをはっきりと区別できます。同時に、対話しながらの「社会的振る舞い」ができるのも大きな特徴です。
たとえばCommUは、多様な視線表現機能を駆使して、ロボット同士で対話しながら、時折、人に質問をして同意を求めることができます。そのため、会話している人は、ロボットとの対話感を覚えながら、話を聞くことができるのです。
CommUとSotaは今後、社会的振る舞いの更なる成熟を図りつつ、自閉症スペクトラム障がいなどのコミュニケーションに障がいを持つ子どもが通う発達障がいの専門クリニックの診察室に導入される予定とのこと。このような社会的対話ロボットとの対話を用いた療育プログラム開発の検討によって、社会への普及を進めるそうです。(笹田久美子)
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外部リンク
- 科学技術振興機構(JST)
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150120-2/index.html