ビフィズス菌の継続摂取で機能性消化管障害の心理症状も改善!?

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2015年02月10日 12:10  QLife(キューライフ)

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花粉症などアレルギー症状の緩和でも注目されるビフィズス菌

 一部のヨーグルトや乳性飲料など乳製品に含まれるビフィズス菌。おなかの調子を整えてくれる善玉菌としておなじみですね。近年では、おなかの調子を整えることはもちろん、花粉症などアレルギー症状の緩和や、ロタウイルスによる感染性腸炎を抑制する可能性を指摘する研究報告も寄せられ、ビフィズス菌に対する注目度はますます高くなっています。

 そんな中、東邦大学ら研究グループがビフィズス菌の一種である「ビフィドバクテリウム ビフィダム YIT 10347」(B.ビフィダム Y株)を含む乳酸菌飲料の飲用試験を実施。その結果、機能性消化管障害の患者さんの消化器症状や心理症状を改善する効果が確認されたという報告を発表しました。

 機能性消化管障害は、炎症などの異常がないにもかかわらず、胃がもたれる・胃が痛む・下痢や便秘を繰り返すなど、不快な症状が表れる病気のこと。過去には「慢性胃炎」や「神経性胃炎」と呼ばれていた機能性ディスペプシアや、過敏性腸症候群などがこの病気に含まれます。

ビフィズス菌でストレスが軽減された可能性も

 今回の研究は、通院・治療しても症状が改善されなかった重症の機能性消化管障害患者さん37名を対象に実施。患者さんにB.ビフィダム Y株を含む乳酸菌飲料を1日1本(100ml)、4週間飲用してもらい、消化器自覚症状、心理自覚症状およびストレスマーカーの検査を行いました。

 その結果、B.ビフィダム Y株を含む乳酸菌飲料を4週間飲用した後は、飲用前と比べて腹痛、下痢、便秘、消化不良を示す値が有意に低い値を示し、これらの症状が軽減していました。心理自覚症状(イライラ(怒り)、活気)については、飲用前と比較して「イライラ感(怒り)」を示す値が有意に低くなり、「活気」の値が高くなる傾向が認められました。さらにストレスによって上昇する、唾液中のコルチゾールというホルモンの濃度を測定したところ、飲用前と比較して有意に低い値を示し、ストレスが軽減された可能性が示されたとしています。

 今回の試験では、胃や腸に現れていた症状の改善はもちろん、機能性消化管障害の発症要因の中でも重要な要素の1つである心理ストレス面にも好影響を与えたことから、研究グループは「生物にとって重要な器官である脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼすという脳腸相関が伺える大変興味深い結果」と述べています。今後、さらに研究が進むことで、B.ビフィダム Y株を含む乳酸菌飲料によって、機能性消化管障害に苦しむ患者さんが救われる日もそう遠くはないかもしれませんね。(QLife編集部)

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