3月7日に東京が変わる?「中央環状線」開通による6つのメリット

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2015年02月10日 20:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

2015年3月7日、ついに首都高速中央環状線が“本当の環状線”になる。

山手トンネル3号渋谷線から湾岸線までがつながり、“輪”が完成するのだ。完成された環状線は都心環状線のみだった東京の都市高速において、ひとつの画期的な出来事だといっていいだろう。

首都高速は6つの効果をアピール

これによってなにが変わるのだろうか? 首都高速道路株式会社では、“アクセス向上・時間短縮・渋滞緩和・防災力強化・経済力強化・環境改善”の6つの項目を挙げている。


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“アクセス向上”は、中央道・東名高速エリアや関越道・東北道エリアから臨海部のレジャー施設に行きやすくなるというもの。また、“時間短縮”は主に新宿・渋谷等の副都心エリアや関越道・東北道方向などから、羽田空港へのアクセスが飛躍的に向上するというものだ。この両者はいっていることが近い。

“渋滞緩和”は、ルートの選択肢が増えるため、それぞれのルートの渋滞が緩和されるというものだ。たとえば、東名高速から常磐道に行こうと思ったとき、都心環状線を通るルート、中央環状線外回りを通るルート、湾岸線を経由して中央環状線内回りを通るルートの3つができるということだ。また、“防災力強化”は、一部のルートで事故や災害になったときに、別のルートを使えるというもので、このふたつもいっていることが近い。

“経済力強化”は、大型コンテナ船が発着する国際貿易港である東京港、川崎港、横浜港、千葉港から、一般道を通らずに東名高速や中央道などへ輸送可能となり、効率的な物流ネットワークが実現するというもの。“環境改善”も同じような要素が関係するが、中央環状線の開通にともなって周辺の幹線道路(山手通り、環七通り、環八通り等)の渋滞が緩和するため、沿道の環境が改善するというものだ。

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アクセスは飛躍的に向上するか?

これら首都高速道路の宣伝文句は、何割引かで理解したほうがいいだろう。たとえば“時間短縮”における羽田空港へのアクセスが“飛躍的”に向上するというのは疑問だ。けっきょく都心環状線や環七、環八の交通量がまんべんなく分散し、どこも極端に混まない代わりに、どこもバツグンに速くはないということになるのではないだろうか。

逆に、渋滞緩和が明確に期待できそうな場所はある。湾岸線から東名高速、中央道、関越道に行こうと思うと、箱崎JCTや浜崎橋JCTで引っかかることが多かったが、もうひとつルートができるのは大きい。これは筆者自身が5号線ユーザーなので、確信を持っていえる。もっとも、平井大橋や四つ木のほうはあまり影響がないかもしれない。

“防災力強化”の面でいえば、どこかのルートが通行止めになるような事態では、代替ルートは壮絶な渋滞になり交通もマヒしそうなので、それほど効果が大きいとも思えない。ただし、災害時の物資輸送のルート充実という面では意味があるかもしれない。

“経済力強化”の面では、ドライバーの負担が減りそうだ。また、いま日本では輸送力の供給不足が問題になっているようなので、このルートを使う運送会社にとっては切実な問題かもしれない。

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なんでもそうだが、この中央環状線開通に関しては、大きく恩恵を受けるひとと、それほどでもないひととに分かれそうだ。恩恵が大きいのは、東名高速、中央道、関越道沿線のドライバー、また港湾エリアから東名高速、中央道へのルートを使う運送会社といったところだろうか。

おそらく新ルート開通によって、新たな渋滞スポットは出てくるだろう。だからといって失敗だとはいえない。私は20年前のことも覚えているが、現在、東京におけるクルマ移動は当時よりあきらかに楽になっている。このルートの開通で東京が劇的に変わるというほどのものではないだろうが、静かに、しかし確実に改善はすると思う。

せっかくのタイミングだから、現在の渋滞状況を覚えておいて、3月7日以降に比較考察してみてはいかがだろうか。

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  • 首都高側が板橋JCTで中央環状線と池袋線の平面交差を改善しない限り解消は不可能。同様の例が阪神高速堂島JCT。東大阪線から池田線への4車線平面交差横断は塚本料金所とならぶ渋滞のメッカ
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