「皇帝ペンギン」をヒントにしたらエネルギー効率が2倍になったモービル

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2015年02月12日 18:50  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

世界で最も寒く、乾燥していて、風の強い場所はどこかご存知だろうか? それは南極大陸である。“マイナス45℃になった砂漠”と考えると、その過酷さが少しはイメージできるかもしれない。

それだけに、この南極にはわたしたちがまだ知らないたくさんの神秘が隠されており、今現在でも多くの研究員が現地で研究を続けているそうだ。

デザイナーのヘンリー・マッケンジーとアルトゥール・カプリチャックは、南極の研究員が毎日直面しなければならない地理的な問題に対処するため、新たな居住スペースを考案した。

従来の2倍のエネルギー効率を可能にするモービル

『南極リサーチユニット』と名付けられた小型のモービル。名前こそシンプルだが、極限の環境でもより快適に研究が行えるよう、様々なアイデアが隠されている。

遊牧民の生活をヒントにしたこのユニットにはキャタピラが装備され、研究に適した場所へ自由に移動できるようになっている。もちろん補給を受ける際も、そのまま移動すればよいのだ。

ユニットの内部は、リビングルーム、ワークエリア、アクティビティルームの3エリアに分かれている。彼らだってなにも研究ばかりしているわけではない(いや、本当に研究しかしない研究員もいるというが)。基本的な生活に、研究室、それに休息や娯楽を楽しむ空間が用意されている。

南極専用モービル 皇帝ペンギン

そしてこのユニットのもっとも優れた点は、ユニット同士がひとつの有機体のように組み合わさり、エネルギー、特に室内の温度を共有できる点である。

南極専用モービル 皇帝ペンギン

皇帝ペンギンが、寒さを凌ぐために体を寄せ合って効率よくエネルギーを保存している様子からヒントを得たこのアイデアは、熱損失を従来の約50%にまで抑えることが可能となるらしい。

最新のテクノロジーよりも何百年と受け継がれてきたアイデアが重要?

南極のオゾン層から近年の異常気象の原因を探ったり、微生物や古代地層から地球生物の起源を解明したりと、特別部門を設ける国もあるほど南極研究というのは常に注目されている。

それだけに、南極の環境をどう攻略するかというのは非常に重要なポイントなのかもしれない。宇宙まで飛び出してゆく技術力があっても、未だに全てを解明できてないエリアのひとつなのだ。

そのリサーチ用モービルに、何百年、何千年と続いてきた生物の進化や、人類が持つアイデアが活用されていることは、非常に印象的である。

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