次世代通信回線“5G”の本格的なテストが世界で活発化しているようだ。
国内では昨年5月にNTTドコモがテストを開始すると報道されたが、遠いヨーロッパの小国エストニア共和国でも、すでに実験が始まっている。
下り最高速度4.4Gbpsまで成功
Webサイト『ZDNet』によると、エストニアのモバイル会社・EMTが、ストックホルムでエリクソン(スウェーデンの通信機器開発メーカー)の技術開発チームとともに、5G回線のキットを使ったテストを行ったそうだ。
テストでは下り最大4.4Gbpsの速度まで確認できたとのこと。来年の下半期にはキットではなく、実際の操縦テストまでこぎ着けたいとEMTの技術ディレクターTiit Tammiste氏は述べている。
また、今回使われたキットは理論値で下り最大100Gbpsという驚異的な速度が出せるというもの。5G回線は10Gbps(現在の標準規格である4Gの約1,000倍)を目標にしているが、さらにその10倍の速度が可能な代物だったらしい。
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目標は2020年の運用開始!
日本や韓国、フィンランドなど、少しずつではあるが次世代通信規格のテストは行われはじめている。しかし、それは今回のEMTのように、それぞれが独自の解釈で開発したキットを用いているという状態で、実はまだ国際的な標準や技術は定まっていない。
技術が新しい段階を迎えると、それに合わせて“規格”という取り決めが必要となる。実際に、NTTドコモも各国内メーカーに開発協力を要請しており、これからそういった面でも激しい争いが予想される。
現在は4Gよりも上の4.5G(LTE-Advanced)の対応を待たされている段階だが、5Gの開発も順調に進めば、2020年には商業利用が可能となるそうだ(あくまで目標だが)。
ちなみに5G回線は、現在のスマートフォンやPCでのインターネット利用に加え、IoT(モノのインターネット)での利用も想定されており、より複雑で高速な処理にも対応できるよう検討中だとのこと。
そのため、通信範囲も今までより広く、同エリア内であればデバイス間でもシームレスに通信ができるような技術を目指しているそうだ。
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