世界が認める日本の伝統技術! 和紙職人の仕事とは

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2015年02月19日 11:01  スタディサプリ進路

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スタディサプリ進路

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日本各地に古くから伝わる伝統工芸。 その細工の細かさや美しさから、海外からも脚光を浴びている。昨年11月には日本の手漉(す)き和紙の伝統技術が「ユネスコの無形文化遺産」に登録され、さらなる話題を呼んだ。 みんなのなかには、ものづくりや職人の世界にあこがれている人もいるのでは?でも、職人にはどうやってなるんだろう? そこで、若くして伝統技術を受け継ぐ決意をした和紙職人に話を聞いてみた。 ■世界に出て発見した日本の良さ 千田崇統(せんだたかのり)さん(31歳)は、無形文化遺産に登録された和紙の1つ、岐阜県「本美濃(ほんみの)紙」のある現場で働く職人。 和紙職人になったきっかけは、大学生の時の就職活動にあった。何社も選考を受けるなかで「自分にあった働き方、生活とは何だろう?」と考え続けた。 結果、「海外の様々なカルチャーに現地で触れることにより、世界的な視野を広げたい」と思い、大学卒業後はワーキングホリデーの制度を利用しイギリスに渡ることに。その後、世界各国の都市や田舎を巡ったことで、「田舎暮らしの良さ」、「日本の文化の良さ」を再発見し、地元にUターンしたのだという。 そして、求人誌で偶然みつけた和紙の博物館の仕事を通して、和紙の奥深さを知る。やわらかい光の通し具合など、和紙特有の繊細な美しさに惹きつけられたのだという。 伝統を引き継ぐ職人たちの真剣な仕事ぶり、また地元に根付いた暮らしぶりを目の当たりにして「手に職をつけるならこれだ」と決心。後継者を探す80代の職人がいるという話を聞きつけ、弟子入りを申し出て、和紙職人としてのキャリアをスタートさせた。 ほかには、スクールに通って技術を習得する方法や、自治体や和紙の組合が運営する教室で基礎を学び、工房勤務を経て、独立して自分の工房をもつケースが多いという。 ■目標は1日300枚の紙をすく、失敗ばかりで最初は悔しさでいっぱい 手すき職人は平均で1日300枚もの紙をすいて、乾燥させる。仕事に求められるのは、スピードと正確さ。紙の厚さがバラバラではいけない、ハケで乾燥機に貼り付けるときにシワが入ってもダメ。安定したクオリティーで、美しい紙をどれだけ効率よく生み出していけるかということが勝負なのだ。 「和紙職人に向いている人は?」という質問に、千田さんは「やる気はもちろん、仕事のほとんどが単純作業なため、集中力が必要。かといって力みすぎても続かない。そうした勘どころがつかめる人」だと言う。 修業をはじめて1年、師匠は言葉にはしなかったが、一人の職人として仕事をまかせてもらえていると実感できたときは、うれしかったという。 ■作り手の立場から、和紙のいろいろな使い道の提案をしていきたい それからも日々、覚えた仕事の精度とスピードを上げるように励んだ。弟子入りして3年後には、60年続く工房を師匠から引き継いだ。修業時代と比べると、紙問屋に営業して注文をもらってきたり、仕入れ価格と販売価格の見直しをするなど、工房の経営者として考えなくてはならないことが増えたという。 良い原料がとれれば良い紙を作っていけると、紙の原料となるコウゾの栽培にもチャレンジしている。紙問屋からの要望で、珍しい和紙の絞り染めに挑戦することも。 「1300年の歴史をもつ美濃和紙の伝統を引き継ぎながら、時代の移り変わりに合わせた使い道を提案していきたい」 日本の伝統を世界へ発信し、また未来へとつなげていく仕事でもあるのだ。 ※千田さんの大光工房については公式サイト (http://taikoukoubou.jimdo.com/)にて更新中 もっと知りたい人はコチラ→ ◆伝統工芸品を作るトップクラスの職人として、日本の伝統文化の継承にも貢献できる【伝統工芸士 (http://shingakunet.com/bunnya/w0017/x0574/)】

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