![](https://news-image.mixi.net/article/218/218_20150219_96126_003.jpg)
これまで、太陽系の惑星や衛星の探索といえば、陸上を前提にしていた。
しかし、ついにNASAは水中での探査ロボットを計画し始めた。それは、土星の衛星であるタイタンにある、メタンの海を調査しようという目的だ。
『Titan Submarine Phase I』と名付けられた計画では、なんと宇宙空間で潜水艦を運び、タイタンのメタンの海に投入しようというのだ。
目指すはタイタンの海
タイタンは科学者達にとって、注目すべき衛星だった。
衛星とはいえ、水星より大きく、気圧は地球の1.5倍ほどだ。その大気のほとんどは窒素(97%)とメタン(2%)で、気温はなんと−179度とされている。そこに、液体メタンの雨が降り、川が流れ、海ができている。
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探査機ボイジャー、カッシーニ、ホイヘンスからのデータにより、タイタンには3つの大きな海があることがわかっている。そのなかでも最大のものが、Kraken Mareだ。ここがNASAが潜水艦を送り込もうとしている海だ。
Kraken Mareの探査はかなり挑戦的な試みとなる。このメタンの海は、400,000平方キロメートル、深さは160メートルと見られており、潮流もある。
また、タイタンでは、潜水艦を地球からリアルタイムで制御できないという問題がある。
タイタンとの連絡は、片道80分かかるため、何か命令を送信しても、その結果が返ってくるまでに160分かかってしまうのだ。
![Titan Submarine潜水中](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/02/d79be2b94a373573c7ea2eaff774427b-690x387.jpg)
しかも、タイタンは太陽から遠いため、太陽光発電は期待できない。
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潜水艦が収集したデータは、浮上の際(1日の内16時間)に、巨大な背びれのようなアンテナから地球に送信する。浮上と潜水はバラストタンクで調整される。
![調査結果を地球に送信](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/02/d33efbdf0f1b8a8db70380355694cb3a-690x387.jpg)
地球以外の天体で潜水艦が稼働しているとき
以上はまだ、『Titan Submarine Phase I』という机上の計画であり、概念である。NASAの見込みでは、2040年頃にタイタンに到着させたいと考えているようだが、まだまだ課題は多い。
それでも、地球以外の天体で、地球人が作った潜水艦がミッションを遂行している姿を想像すると、かなり興奮する。