死角なし!防御しながら飛行するボール型ドローン「GimBall」

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2015年02月19日 17:30  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

複数のプロペラを備え、ホバリングなど自由な動きが可能なドローンは、災害救助や危険区域の偵察での活躍も期待されている。しかし、そうした場所で運用するには、本体の強度や操縦の“正確さ”にまだまだ難がある。

スイスのスタートアップFlyability社は非常にシンプルな発想で、そういった問題の解決にトライしている。

地面を転がり障害物に当たりながら進んでいくドローン!

『GimBall』は、本体とプロペラをサッカーボール状のゲージで360度囲ってしまうことで、衝突時や落下時の衝撃を和らげる機能をもったドローンだ。


動画を別画面で再生する

正五角形と正六角形で綺麗に組まれたゲージはカーボンファイバー製で、柔軟性と強度を両立している。

ドローンを実際に操縦した経験がある方はおわかりかもしれないが、想像以上に操作が難しい。また、少ないエネルギーで空を飛ばなければならないため、非常に軽量にできている。

Flyability gimball

ほんのちょっとミスをしてしまうと、落下したり、障害物にぶつかったりしてしまいそうになるが、災害現場ではもっとシビアだ。ドローンを本当に現場で活用するためには相当な訓練が必要か、または機体の強度を上げたり、センサーや制御装置をもっとたくさん装備する必要がある。

しかし、『GimBall』は「ドローンは障害物に当たるし、落下するものだ」というところから、それに適した形状の機体を一から設計し直したのだ。したがって、多少何かに当たってもそのまま飛行が可能となった。

Flyability bimball

そして、もうひとつ画期的な点がある。ゲージの中には2つのリングが備えられていて、ちょうど“地球儀”のように本体の姿勢を保つことも可能なのだ。これにより、落下時はなんとそのまま転がりながら進むことができる。

これにより、その場で安全に停止し、重要な物質のサンプルを回収したり、逆に実験に必要な装置の設置をしたりなんてこともできるかも。

今後は人命救助や高性能カメラを搭載予定

Flyability社は、アラブ首長国連邦がスポンサーとなって開かれたコンペティションでアワードを獲得し、100万ドルを得ている。

動画にも登場しているパトリック・デヴォーは、今回獲得した賞金で『GimBall』をさらにグレードアップさせ、人命救助に使用できるようパワフルにしたり、赤外線カメラを搭載したりといったことを考えているそうだ。

本体の形状を見たときは、驚いたと同時に「なるほど!」と感心してしまった。無人飛行装置が私たちの生活に少しずつ登場し始めているが、まだまだたくさんの可能性を秘めているようだ。

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