「あんなもの誰が身につけるんだ?」と酷評されていたゴーグルタイプのデバイスでも、必要とされるシーンが必ずあるものだ。
例えば、F1やオートバイなどのモータースポーツ、危険な場所で両手が塞がってしまうような作業時など。
しかし、今回紹介するデバイスは、そのなかでも特に難しい“水中”での運用を目的としたデバイスだ。
泳力向上が期待できる水泳用ウェアラブルデバイス
『Instabeat』は、レバノンに拠点を置く同名のスタートアップ企業が、世界的半導体メーカーSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)のチップを用いて開発した水泳用ウェアラブルデバイス。
水泳競技に必須なゴーグルに様々なセンサーを内蔵したモジュールを装備することで、水中でも正確なトラッキングが可能になったそうだ。
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ここ数年、手軽に始められるスポーツとしてランニングやヨガなどと並んで人気の水泳だが、“泳ぎ”を一から学ぶには人の手を借りなければならないし、それなりに時間も費用もかかってしまう。競技者ならば尚更だ。
そういった際には、自分で色々な情報をチェックできるデバイスやアプリケーションが便利だが、水泳の場合、電気製品にとってもっとも障害となる“水”をまず克服しなければならない。
『Instabeat』はそういった面で、個人スイマーや競技者にとって大きな助けになるのではないか、と期待も大きいようだ。
完全防水モジュールで速度から心拍数まで計測可能
同製品は、スイマーが使用するゴーグルにクリップで取り付けて使用する。STが提供した9軸慣性モジュールや無線通信が可能なBluetoothが内蔵されており、速度、ラップ数、泳いだ距離、燃焼カロリー推定値などが測定可能だ。側頭部の動脈から心拍数の計測も可能。
トラッキングしたデータはBluetoothを使って、外部モニタでチェック可能となる。
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クラウドファンディングサイト『Indiegogo』で目標の1.6倍となる5万ドルを獲得し、139ドルでオーダー可能。早ければ今年の11月から出荷開始とのこと。
水泳用のトラッキングデバイスとは盲点だった。筆者も毎日のランニングを楽しみのひとつとしているが、続けられたのは間違いなくスマホのフィットネスアプリがあったおかげである。
『Instabeat』はスイマーたちにとっては嬉しい製品の登場なのではないだろうか?