進路指導のベテラン先生が難関大学でも一般入試を勧める理由とは

0

2015年03月06日 11:52  スタディサプリ進路

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

スタディサプリ進路

写真
あこがれの大学生になるためにクリアしなければならないのが、受験という高いカベ。 でも今どきの大学入試っていろいろあるみたい。どんな入試方式で受験すればいいのか、悩んでいる人も多いのでは? そこでリクナビ進学が2014年11月、高校1〜3年生、416人にアンケートを行い「大学入試ではどんな入試スタイルを希望している?」などの質問をしてみた。 「大学入試で受けたい受験形態は?」と質問したところ、 一般入試…52.8% 推薦入試(指定校推薦や自己推薦)…24.4% AO入試…4.2% その他…4.7% 未定…10.8% という結果になった。 これに対して、神奈川県の私立高校、関東学院六浦高校で「進学先への一人ひとりの納得度を高めること」にこだわって進路指導を担当してきた芹田祐一先生に、どう思うか聞いてみた。 ■もっと一般入試に挑戦してほしい 今の高校生は「苦労しないで合格したい」という気持ちや「安全志向」が強く、推薦・AO入試に流れてしまう人が少なからずいると感じています。でも平成4年には大学入学志願者10人のうち6人しか入学できなかったのが、平成23年には10人に9人は入れるようになるなど、ここ20年で大学はとても入りやすくなっています(※)。 また一般入試のほうがAO・推薦入試より募集人数が多いことを忘れないでください。首都圏で、いわゆるMARCHなどのネームバリューのある大学でも、皆さんがイメージしているよりかなり敷居は低くなっていると思います。「自分には無理」と簡単にあきらめず、ぜひあこがれの大学の一般入試に挑戦してほしいですね。 ――確かに「全入時代」といわれるように、今は入りたい人のほとんどが大学に入れる時代。それにしても「ネームバリューのある大学でも敷居が低くなっている」ってどういうことなんだろう? ■倍率を調べるときは「実質倍率」を確認 志望校を選ぶとき、人気のある大学や学部の倍率を見て「10倍」「20倍」などの数字が出ていると「高い!これではとても無理!」とあきらめてしまうかもしれません。そのとき確認したいのが、その倍率が「志願倍率」か「実質倍率」かということ。この2つは下記のとおりまったく違う数字です。 志願倍率=志願者数÷募集人数 実質倍率=受験者数÷合格者数 私立大学を何校か併願する人、国公立大学を第一志望として私立大学を併願する人は多くいます。これを見越して私立大学では合格者を募集人数より多めに出す学校が多いため、「実質倍率」は「志願倍率」より低くなるケースが多いのです。倍率を調べるときは「実質倍率」で判断するといいですよ。すると、それほど高倍率ではないとわかると思います。 例えば2014年度の試験を調べたら下記のようなケースがありました。 A大学経営学部「一般入学選抜試験」 志願倍率22.66倍 → 実質倍率5.25倍 B大学法学部「一般入試(4教科型)」 志願倍率20.13倍 → 実質倍率2.97倍 C大学基幹理工学部「一般入学試験」 志願倍率16.83倍 → 実質倍率2.86倍 いずれも東京では知名度の高い私立大学です。 ただしどうしても入りたい第一志望校は、倍率を気にせず挑戦して欲しいです。 自分自身の実力に対して『安全校』を受験する際に、倍率を参考にするといいでしょう。 ――自分が受験する年の実質倍率はわからないので、過去のデータを参考にするといいだろう。ほかにポイントはあるのだろうか? ■倍率の隔年現象や学部による偏差値帯の違いにも注目 1年前の入試の倍率が高めだと、「そんなに難しいなら受けたくない」という受験生の心理が働き、翌年は倍率が低めになるという「倍率の隔年現象」はよく起こります。このため、受験する年の前年に倍率が高かった場合は、ねらい目。ただし超人気大学や人気学部はそこまで大きな変動はないので注意してください。 また一つの大学の中でも学部・学科によって偏差値帯が10以上違うことがあります。大学名やイメージだけであきらめず、学部・学科ごとの偏差値をきちんと調べましょう。 芹田先生が指摘してくれたように、大学受験の一般入試を「自分には無理そう」と思っている高校生は多いみたいだけど、だからといって簡単に高3の4月や5月の学力で入れる学校に決めてしまってはもったいない。自分の成長を信じて一般入試に挑戦することは「学力を高めるチャンス」でもある。先生のアドバイスを参考に、高校3年生の2月、3月というゴールを目指して勉強してみては? どんな結果になっても「努力」は自分の財産として必ず残る! ※文部科学省「学校基本調査報告書」より

    前日のランキングへ

    ニュース設定