理研のクマ型ロボット!? 「ROBEAR」がヘルパー不足を解決するか

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2015年03月07日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

少子高齢化社会では、介護という問題と向き合う必要があるが、この問題には人的資源の確保だけでなく、テクノロジーの面からのアプローチも進められている。

特に介護をサポートするテクノロジーとして、ロボットスーツのように人が装着するタイプや、装着はしないがパワーアシストを行う装置などが開発されている。

そしてこれに、ロボットを投入する開発も進められてきており、理化学研究所は、研究用プラットフォームではあるが、人と柔らかな接触を可能にした介護ロボットを発表した。名付けて、『ROBEAR(ロベア)』という。

人に優しく接触できるロボット

『ROBEAR』は、まだ見た目が垢抜けないロボットで、余り似てはいないが“熊”をイメージした外観を持っているため、この名前が付いているようだ。

ROBEAR_正面

しかし、『ROBEAR』を見た目で判断してはいけない。『ROBEAR』は被介護者を優しく抱え上げ、ベッドから車椅子に移動する手伝いを行ったり、立ち上がる動作を手伝ったりすることができる。


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特徴は、人に優しい接し方で力を出せることだ。最大80キロまで持ち上げることができる。

実は理研ではこれまでも介護用ロボットを開発してきており、2009年には『RIBA』、2011年には『RIBA-II』を発表してきた。しかし今回の『ROBEAR』は、とにかく人に優しく接する機能が重視された第3世代の介護ロボットとなっている。

立ち上がる補助

この優しさは、アクチュエーターユニットの開発が肝だった。アクチュエーターユニットとは、モーターやギヤ、モータードライバといった駆動系と、制御・通信用のモジュールを一体化させたものだ。

この技術を向上させることで、非常になめらかで優しい動きを可能にしている。つまり、人に接触した際に、外界から加わった力が駆動系にフィードバックされ、動きに優しさを与えているのだという。

アクチュエーターユニット

特に『ROBEAR』の皮膚となるゴム製の触覚センサー“スマートラバーセンサー”は、接触している人から返ってくる力の変化を検知しながら駆動系の調整を行ってくれる。

この機能によって、『ROBEAR』は人を優しく抱き上げたり、立とうとしている人を優しく支えたりすることができる。

お姫様だっこ

介護現場を支える技術の多様化

既に需要が増え続けている介護の現場では、とにかく重労働が人材不足の原因の一つとなっている。例えば被介護者をベッドから車椅子に移動させる介護は、一人の介護士が1日に数十回も行っているという現実があり、かなり過酷な労働を強いているのだ。

介護士の人員を増加すれば一人あたりの負担は減るが、ことはそう簡単ではない。となれば、やはりロボットスーツやロボットによる援護が必要になるだろう。当面はそれらのどちらかではなく、多方面からのアプローチによって技術開発を進めておくことが好ましいかもしれない。

リアルなベイマックスが実現する日が来るだろうか。

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